MATCHDAY REPORT ─ ENGLAND FOOTBALL & CL
PREMIER LEAGUE DAILY
MATCHDAY FULL
鈴木彩艶が日本人GK初のCLへ、上田綺世は先制ヘッド 鎌田大地は投入13分で3点目、日本人7選手が出場した一日
対象期間 9/8 9:30 〜 9/9 9:30 JST
対象期間には17試合 (PL 0 / 2部 6 / CL 6 / EFL杯 5) が行われた。うち詳報13、結果一覧4。FA杯は予選1回戦の再試合26試合 (うち1試合延期) が同日にあり、注記のみとする。日本人選手は7人が出場し、1人がベンチ入りのみだった
THE STORY OF THE DAY
鈴木彩艶が日本人ゴールキーパーとして初めてチャンピオンズリーグのピッチに立ち、90分を守り切った。8 , 7 ただしこの夜のアストン・ヴィラで起きたことは、それだけではない。リーグ戦3試合で1点も取れていなかったチームが、敵地の前半45分だけで3点を奪っている。5 , 6
THE MORNING 5 今朝のニュース5本
01 上田綺世が移籍後初先発で先制ヘッド、リールは退場者を出して逆転負け
上田は12分、イーサン・エムバペの右からのクロスに合わせた。移籍後2試合で2得点、公式戦は5試合連続得点となる。9 , 42
02 鎌田大地が投入13分で3点目、冨安健洋はセンターバックで先発
クリスタル・パレスは59分に鎌田を送り出し、その鎌田が抜け出してゴールキーパーの上へ浮かせた。18 , 19
03 マンチェスター・シティは枠内10本を積みながら、決めたのは後半の2本だけ
ハーランドが47分と90+1分に決めた。ただし前半は決定機を何度も逃しており、結果ほど内容は良くなかった。13 , 14
04 レアル・マドリードは支配率36%でインテルを退けた
2点はいずれも相手のミスから生まれた。2点目はゴールキーパーのジョゼップ・マルティネスが処理を誤った形だった。12 , 11
05 松木玖生は投入2分でアシスト、サウサンプトンが首位を引きずり降ろした
松木は76分に入り、78分にシエンツァへ通した。勝ち点4を減点されているサウサンプトンの順位を押し上げる3点目となる。26 , 37
17 MATCHES 行われた試合。CL 6、EFL杯 5、チャンピオンシップ 6。詳報13と結果一覧4で全数を確認できる1 , 2 , 3
7 JP PLAYERS 17試合に出場した日本人選手。鈴木彩艶と上田綺世がCL、鎌田大地・冨安健洋・森下龍矢・松木玖生・旗手怜央が国内で出場した8 , 4
3.00 VILLA xG 敵地でのアストン・ヴィラのxG。xGを取得できた試合の中では最も高く、リーグ戦3試合無得点だったチームが記録した数字だ5
01 RESULTS & HIGHLIGHTS 試合結果とハイライト
この24時間、すなわち英国時間9月8日(火)に行われたのは17試合。チャンピオンズリーグのリーグフェーズが開幕し、カラバオ杯3回戦が始まり、チャンピオンシップ第6節の6試合が同じ夜に重なった。1 , 2 , 3 プレミアリーグはこの日開催が無く、第4節は9月12日に始まる。41 チャンピオンシップでは、日本人選手が出場した3試合を詳しく見る。
CHAMPIONS LEAGUE ─ リーグフェーズ第1節
CL 9/9 04:00 JST ─ サンティアゴ・ベルナベウ
⚽ 14′ エムバペ ⚽ 77′ カルロス・アウグスト
⚽ 23′ バルベルデ
36% 支配率 64%
2.91 xG 1.78
16 シュート 21
12 , 11
ボールを持っていたのはインテルのほうだった。支配率は36対64、シュート数も16対21で下回りながら、レアル・マドリードが先に2点を奪っている。12 14分、ブラヒム・ディアスの折り返しをエムバペがボックス中央から流し込み、23分にはバルベルデがゴールキーパーのジョゼップ・マルティネスへ寄せ、処理を誤ったところを至近距離から押し込んだ。11 77分にラウタロ・マルティネスの低い折り返しをカルロス・アウグストが押し込んで1点差。クルトゥワは7本を止めており、ベルナベウの終盤を持ちこたえさせたのはこの守護神だった。11
CL 9/9 04:00 JST ─ エスタディオ・ド・ドラゴン
⚽ 47′ ハーランド
⚽ 90+1′ ハーランド
13 , 14
前半のハーランドは決め切れなかった。ディオゴ・コスタに2本を止められ、ヘディングは枠を越えている。13 後半開始2分、エンソ・フェルナンデスのクロスにヤクブ・キヴィオルを押しのけて頭で合わせ、ポストに当てて流し込んだ。90+1分にはアイト・ヌーリのカットバックを決め、チャンピオンズリーグにおけるマンチェスター・シティでの通算得点は36となり、セルヒオ・アグエロのクラブ記録に並んだ。13 エンツォ・マレスカ監督は「もっと決められた。特に前半は。それでも全体としては勝つに値した」と述べている。13
CL 9/9 04:00 JST ─ ジグナル・イドゥナ・パルク
⚽ 53′ オウンゴール ⚽ 66′ モウリーニョ
⚽ 80′ ギラシ ⚽ 90+′ オウンゴール
⚽ 85′ ギラシ (PK)
15
前半は動きが鈍く、カレツァスの負傷交代でリズムも切れた。15 流れを変えたのは53分、バイアーのクロスが相手に当たって入ったオウンゴールと、途中出場のファビオ・シウバである。シウバは80分のギラシの得点を導き、85分にはPKで3点目が入った。15 ところが追加時間、そのギラシ自身のオウンゴールで1点差に詰められている。1試合で2得点とオウンゴール1という内訳を、ドルトムント通算100試合目の男が作った。15
CL 9/9 01:45 JST ─ ヤン・ブレイデル・スタディオン
⚽ 19′ ヴェトレセン ⚽ 11′ マッギン
⚽ 61′ トレゾルディ (PK) ⚽ 22′ ブエンディア
⚽ 43′ ジャクソン
5 , 10 , 7
リーグ戦3試合を無得点で終えていたチームが、前半だけで3点を奪った。11分、パウ・トーレスがボックス手前まで運んで落とし、マッギンがダイレクトで流し込む。22分にブエンディア、43分にはジャクソンが加入後初得点を決めた。5 欧州の舞台で前半に3点を取ったのはクラブ史上3度目で、敵地では初となる。5 ブルッヘは19分にヴェトレセン、61分にトレゾルディのPKで追ったが、鈴木彩艶が68分の強烈なミドルとその直後のヘディングを連続で止め、終盤のヘディングも収めた。7
CL 9/9 04:00 JST ─ スタッド・ピエール・モーロワ
⚽ 12′ 上田綺世 ⚽ 33′ バルトラ
⚽ 36′ アレクサンドロ ⚽ 49′ バルトラ
🟥 イーサン・エムバペ ⚽ 53′ パロット
9 , 17
12分、イーサン・エムバペが右から入れたクロスに、ファーサイドの上田綺世が頭で合わせて先制した。移籍後2試合で2点目となる。9 , 42 33分にバルトラのヘディングで追いつかれ、36分にアレクサンドロが勝ち越したが、後半に入って形勢が反転する。そのイーサン・エムバペがナタンの顔面へ肘を当て、VARの介入を経て一発退場となった。9 数的不利のリールは49分にバルトラのこの日2点目、53分にパロットの一撃で逆転を許した。上田は77分に退いている。9
CL 9/9 01:45 JST ─ OPAPアリーナ
16
試合を決めたのは21分の直接フリーキック1本だった。マリンが強く巻いて上隅へ運んでいる。16 64分にはヨヴィッチのゴールがオフサイドで取り消され、AEKアテネは1点を守り切った。16 この勝利は、チャンピオンズリーグの本大会 (予選を除く本戦) におけるAEKアテネ初めての白星としては2006-07シーズン以来、20年ぶりとなる。16 , 50
CARABAO CUP ─ 3回戦
EFL杯 9/9 03:45 JST ─ セルハースト・パーク
⚽ ストランド・ラーセン
⚽ 53′ ストランド・ラーセン
⚽ 72′ 鎌田大地
18 , 19
前半の支配率で上回っていたのはミドルズブラのほうで、開始30分は65%を握っていた。18 それでも決め切ったのはクリスタル・パレスである。パレスでの初先発となったオスカル・ミンゲサが右から左足で通し、ストランド・ラーセンが頭で合わせる。後半8分にはチルウェルのクロスから同じ形で2点目が入った。18 3点目は59分に投入された鎌田大地が72分に決めた。抜け出してゴールキーパーのブリンの頭上へ浮かせている。18 冨安健洋は最終ラインで先発している。19
EFL杯 9/9 03:45 JST ─ スタジアム・オブ・ライト
51% 支配率 49%
15 (4) シュート (枠内) 7
20 , 18
サンダーランドは先発を11人入れ替えて臨んだ。20 均衡が破れたのは71分、ハル・シティのコーナーキックを跳ね返してのカウンターからで、ムニエのパスで最終ラインの背後へ抜けたタルビが、ゴールキーパーのフィリップスの頭上へ柔らかく浮かせた。20 ハル・シティは今季ここまで無失点を続けていたが、この一撃で記録が途切れている。18 守田英正は負傷のためメンバーに入っていない。27 , 43
EFL杯 9/9 03:45 JST ─ バイタリティ・スタジアム
⚽ 7′ クリスティ
⚽ 69′ クリスティ
⚽ 88′ クリスティ
⚽ 90+4′ ラヤン
21
ハットトリックを決めたのは、負傷から戻ってきたクリスティだった。7分に先制し、69分と88分で3点目まで運んでいる。21 マルコ・ローゼ監督にとってはボーンマスでの公式戦初勝利で、「94分間、良い出来だった。クリスティにはふさわしい結果。負傷から戻り、努力して、いま状態が戻ってきている」と語った。21 8人を入れ替えたリンカーン・シティは、クリス・コーエン監督が「セットプレーでも普段のようには押し出せなかった」と認めるとおり、持ち味を出せずに終わった。21
EFL杯 9/9 04:00 JST ─ ザ・デン
22 , 23
両者の対戦は1993年以来だった。22 15分にウィロックの一撃をマーシャルが弾き、79分にはアルコンテのシュートがニアポストを叩いている。ミルウォールが最も近づいたのはこの場面だった。22 決着は81分、ホールのクロスをウィロックが流し込む形でついた。マティアス・ヤイスレ監督は「辛抱と、相手ゴール前での効率の問題だった」と振り返っている。22 次田夏樹は背番号51でベンチに入ったが、出場は無かった。23 , 4
EFL CHAMPIONSHIP ─ 第6節
2部 9/9 03:45 JST ─ エウッド・パーク
⚽ 20′ モンゴメリー ⚽ 35′ キャノン
⚽ 44′ ペック
24 , 25
3点はすべて前半に入った。20分、モンゴメリーが20ヤードから決めて先制する。24 35分にキャノンが落ち着いて流し込んで追いつき、44分にはペックがフリックから強く叩き込んで逆転した。1本目を演出したのもペックである。24 後半はブラックバーンが押し込み、アフォラヤンの決定機はチョードリーがゴールライン上でかき出し、クーパーも2本を止めている。24 森下龍矢は右の攻撃的な位置で先発フル出場した。25
2部 9/9 03:45 JST ─ セント・メリーズ
⚽ アザズ ⚽ ヴィポトニク (PK)
⚽ ラリン
⚽ 78′ シエンツァ
26
首位で乗り込んできたスウォンジーが、今季初黒星を喫した。前半のうちにアザズとラリンが決め、後半にヴィポトニクのPKで1点差に迫られる。26 76分、サウサンプトンはフェロウズに代えて松木玖生を送り出した。その2分後、松木が背後へ通し、シエンツァが落ち着いて隅へ流し込んでいる。26 サウサンプトンは前節に続いて首位のクラブを叩いた形になった。26
2部 9/9 03:45 JST ─ レースコース・グラウンド
29 , 48
26分、ラマザニのスルーパスに抜けたアムドゥニがダイレクトで決めてバーンリーが先制した。48 55分、カボレの折り返しにエコミエが頭で合わせて同点とする。加入後公式戦2点目で、90分にもソンネのシュートをゴールライン上でブロックしている。29 , 48 バーンリーは開幕6試合目を終えて3分3敗、今季未勝利のままとなった。48 旗手怜央は73分、アレインに代わって途中出場した。セルティックから移籍期限日に加入後、5日のブリストル・シティ戦に続く2試合目の出場となる。48 , 49
OTHER RESULTS ─ その他のカラバオ杯3回戦
ホーム 結果 アウェイ MATCH NOTE
レイトン・オリエント 1–3 ブラッドフォード・シティ オウンゴールで先行しながら後半に逆転される18
OTHER RESULTS ─ その他のチャンピオンシップ第6節
ホーム 結果 アウェイ MATCH NOTE
ボルトン 2–3 ウェストハム ボーエンが13分と77分に2得点28
カーディフ 1–1 ストーク 63分、ウィロックの膳立てからコルウィルが同点弾30
ワトフォード 2–1 プレストン 途中出場ブラボのクロスからドゥンビアが決勝ヘッド31
対象期間に本紙の対象5大会で行われたのは17試合で、詳報13・結果一覧4の合計が総数と一致する。内訳はチャンピオンズリーグのリーグフェーズ第1節6試合 (全試合が詳報)、カラバオ杯3回戦5試合 (プレミアリーグ在籍クラブの関わる4試合が詳報、残る1試合が結果一覧)、チャンピオンシップ第6節6試合 (日本人選手が出場した3試合が詳報、残る3試合が結果一覧)。1 , 2 , 3 , 4 プレミアリーグはこの日開催が無い。41 チャンピオンシップ第6節はこの日の6試合に続き、残る3試合が9月9日に組まれている。3 カラバオ杯3回戦は全16試合で、残る11試合は9月9日以降となる。2
FA杯は同日、予選1回戦の再試合26試合が組まれ、うち25試合が行われた (ジャージー・ブルズ対バージェス・ヒル・タウンは延期)。すべて非リーグ同士の対戦で、プレミアリーグ在籍クラブの出場はない。本紙は予選ラウンドを日本人選手の出場試合のみ詳報の対象とし、結果一覧には掲載しない。本紙が確認した範囲に日本人選手の出場は無かったが、25試合のうち完全なメンバー表を確保できたのは一部のみである。32
02 TABLE IMPACT 順位表への影響
チャンピオンズリーグのリーグフェーズが開幕した。36クラブ中12クラブが1試合を消化した段階で、順位表はまだ全体の3分の1しか埋まっていない。33
CHAMPIONS LEAGUE ─ 第1節1日目を終えて
順位 クラブ 試合 勝点 得失点 この日
1 マンチェスター・シティ 1 3 +2 ○ 2–0
2 アストン・ヴィラ 1 3 +1 ○ 3–2
3 レアル・ベティス 1 3 +1 ○ 3–2
4 ドルトムント 1 3 +1 ○ 3–2
5 レアル・マドリード 1 3 +1 ○ 2–1
6 AEKアテネ 1 3 +1 ○ 1–0
この日勝利したのは6クラブで、勝ち点3で並ぶ。序列は得失点差と得点数による。マンチェスター・シティとAEKアテネは無失点で勝っており、得失点差はシティが+2、AEKアテネが+1。敗れた6クラブのうち、ポルトは0–2で得失点差−2となり、この日の全12クラブで最も低い。33 , 1 残る24クラブは9月9日と10日に第1節を戦う。1
CHAMPIONSHIP ─ 首位が入れ替わった
スウォンジーはこの日まで無敗で首位に立っていたが、セント・メリーズで今季初黒星を喫し、2位へ下がった。26 押し上げたサウサンプトンは、2025-26シーズンの「スパイゲート」でプレーオフ決勝から除外され、今季の勝ち点から4を減らされた状態で戦っている。37 減点を抱えたまま2試合続けて首位クラブを叩いたことになる。
シェフィールド・ユナイテッドはエウッド・パークでの逆転勝ちで上位10クラブに入った。クリス・ワイルダー監督は「今夜、我々は10位以内に入った。私と、クラブと、この街を映すような泥臭い試合を求めていた」と述べている。24 ワトフォードは逆転勝ちで6試合を終えて勝ち点8とし、ホームでの無敗を保った。31
03 THE TURNING POINT 勝敗を分けた一手
この日の勝敗を動かしたのは、交代でも配置変更でもなく、センターバックが自らボールを運ぶ選択だった。
1 クラブ・ブルッヘ 2–3 アストン・ヴィラ / 前半
一手 ─ パウ・トーレスが最終ラインを出て、自分で運んだ。
アストン・ヴィラはリーグ戦3試合で1点も取れておらず、ブライトンに0–4、アーセナルに0–1、ハル・シティとは0–0だった。6 ボールを最終ラインで横に動かしても、中盤が相手の2枚に捕まり、前線へ縦パスを入れられない時間が続いていた。ブルッヘは4-2-3-1で中央を締め、ポッツとファナケンの2枚がカマラとジョアン・ゴメスを常に視野に入れる形を取った。47
そこでパウ・トーレスは、パス先を探すのをやめてラインから出た。中盤の2枚は目の前のカマラとゴメスを見ているため、運んでくる最終ラインの選手に対しては誰が出るかが決まっていない。11分、トーレスは自陣から相手ボックス手前まで持ち上がり、リーとポッツを引きつけたうえで落とした。受けたのは、中盤から遅れて入ってきたマッギンである。マッギンはダイレクトで振り抜き、ゴールキーパーから見て逆サイドの下隅へ流し込んだ。5 , 10
トーレスの前進は、1回限りの成功ではなかった。トーレスはこの試合で決定機を4回演出し、アシスト2、ファイナルサードへのパス8本を記録した。地上戦のデュエルは全勝である。10 22分のブエンディア、43分のジャクソンと、前半のうちに3点が入り、xGは3.00に達した。5 ウナイ・エメリ監督は「今日、我々は一歩前進した。自信と安定にとって非常に重要だった」と述べている。6
裏付け ─ 前半3得点はクラブの欧州カップ戦史上3度目、敵地では初。xG3.00は、xGを取得できた4試合の中で最も高い。5
見落とせない点 ─ 同じトーレスは、8月のブライトン戦では現地紙に「特にひどい」と書かれている。10 持ち上がりが機能したのは、ブルッヘの中盤が受け渡しを決めていなかったからでもあり、常に再現できる形とは限らない。
ANIMATED TACTICAL BOARD
11分、マッギンの先制点。アストン・ヴィラは画面左→右へ攻撃し、ビラから見た左サイド (マートセンの側) が画面上、右サイド (ワン・ビサカの側) が画面下にあたる。「▶ 再生」を押すと1回だけ動き、最後で止まる。ペナルティエリア、ゴールエリア、ゴール幅、PKマーク、センターサークルは競技規則第1条の実寸比から縮尺化した。背番号は両クラブの当日のメンバー表に拠る。47
中盤の背後
1
29
3
14 トーレス
22
8
35
7 マッギン
10
53
11
1 ゾマー
64
3
44
65
8 ポッツ
20 ファナケン
9
10
11
7
GOAL
▶ 再生
⏸ 一時停止
↻ REPLAY
1 ビラの組み立て ─ 10分すぎ。アストン・ヴィラは最終ラインでボールを回している。画面上側が左サイドバックのマートセン(22)、下側が右サイドバックのワン・ビサカ(29)。ブルッヘはポッツ(8)とファナケン(20)の2枚でカマラ(8)とジョアン・ゴメス(35)を見張り、中央の縦パスを消している。ボールはパウ・トーレス(14)の足元。
攻撃側の動き・ボール 守備側の反応 空いた場所
※配置は公開されている試合記録・スタッツ・現地報道を基にした戦術的な概念再現であり、トラッキングデータによる厳密座標ではない。本図は得点順・攻撃方向・ボールの中継点・シュートの到達側を文字情報で確認して作成しており、本紙の現在の制作環境では映像による1フレーム単位の照合を行っていない。5 , 10 , 47
2 サウサンプトン 3–1 スウォンジー / 76分
一手 ─ フェロウズを松木に替え、右の役割を「運ぶ」から「縦パスを通す」に変えた。
2–1に迫られた直後のサウサンプトンは、右のフェロウズを下げて松木玖生を入れた。フェロウズは縦に仕掛けてクロスまで運ぶタイプで、押し込まれた時間帯には相手の左サイドバックとセンターバックの間で潰れやすい。26 スウォンジーは1点差にして前へ出ており、最終ラインと中盤の間隔が開き始めていた。
松木は仕掛けずに、その開いた帯へ縦のボールを差し込む役を担った。投入から2分後の78分、背後へ抜けたシエンツァへ通し、シエンツァが落ち着いて隅へ流し込んでいる。26 1点差で押し返される時間に、運ぶ選手ではなく縦パスを通す選手を置き、その交代が3点目につながった。
裏付け ─ 交代は76分、得点は78分。試合はここで3–1となり、スウォンジーの反撃は止まった。26
見落とせない点 ─ 90分のうちの14分間である。サウサンプトンが松木をこの役で使い続けるのか、この日限りの手当てだったのかは、次節を見るまで判断できない。
3 クリスタル・パレス 3–0 ミドルズブラ / 59分
一手 ─ 鎌田大地とウォートンの2枚を同時投入し、中盤の保持を立て直した。
ミドルズブラは開始30分の支配率が65%あり、クリスタル・パレスは押し込まれながら大外からの折り返しで2点を先行するという、内容と結果がずれた展開になっていた。18 中盤でボールを失う場面が続けば、2点差はいつでも崩れる。
ピエール・サージュ監督は59分に鎌田大地とウォートンを同時に送り出した。19 中盤でボールを持てるようになり、パレスは押し返す時間を作った。その先で、最終ラインの背後へ抜けた鎌田がゴールキーパーのブリンの頭上へ浮かせて3点目を決めた。18 ホームズデール・オンラインの試合スレッドでも、後半になって「プレスが無謀でなくなり、ミドルズブラに使われる隙間が小さくなった」という趣旨の指摘が出ている。34
裏付け ─ 交代は59分、3点目は鎌田による。パレスは無失点で4回戦へ進んだ。18
見落とせない点 ─ 2点差がすでにあった状況での交代であり、追う立場でも同じ効果が出るとは限らない。
04 PLAYER REPORTS 選手ミニレポート
13試合それぞれからGOODとPOORを1人ずつ挙げる。敗れた側の好演、勝った側の不振も含めて見る。
レアル・マドリード 2–1 インテル (→ 結果)
GOOD
クルトゥワ
レアル・マドリード / ゴールキーパー / 先発フル出場
7本を止めており、うち3本は前半の決定的な場面だった。11 この日のレアル・マドリードは支配率36%、シュート数でも16対21で下回っており、押される時間の長さがそのまま守護神の仕事量になっている。12 スポーツ・イラストレイテッドは「ロス・ブランコスにとって、このゴールキーパーほど安定して信頼できる存在はいない」と評した。11
POOR
ジョゼップ・マルティネス
インテル / ゴールキーパー / 28歳 / 先発
23分、寄せてきたバルベルデに対してボールを処理し切れなかった。11 蹴り出すべき場面で持ちすぎ、接触したボールがそのままゴールへ向かっている。11 インテルはシュート21本を放ちxG1.78を積んでおり、内容で劣っていたわけではないだけに、この1本の判断が試合を分けた。12
ポルト 0–2 マンチェスター・シティ (→ 結果)
GOOD
ハーランド
マンチェスター・シティ / センターフォワード / 先発
前半に何度も外した末に、後半開始2分でキヴィオルを押しのけて頭で押し込んだ。13 90+1分にはアイト・ヌーリのカットバックを決め、チャンピオンズリーグでのクラブ通算得点を36に伸ばしている。13 チームが決定機を逃した試合で、ハーランドは後半の2本を決め切った。その決定力が勝利を支えた。14
スポーツ・イラストレイテッドの採点は8.9で、この日のチーム最高だった。14
POOR
セメンヨ
マンチェスター・シティ / 左ウイング / 先発〜1時間過ぎ
ファイナルサードでの精度を欠き、攻撃を完結できない場面が続いた。14 採点は6.9で、1時間を過ぎたところで早めに交代を告げられている。14 枠内10本を積みながら得点が後半の2本だけに終わった原因の一つが、この左サイドの仕上げにあった。14
ドルトムント 3–2 ビジャレアル (→ 結果)
GOOD
ファビオ・シウバ
ドルトムント / 前線 / 途中出場
投入後、ドルトムントは前へボールを運べるようになった。15 80分のギラシの得点はこの選手のパスから生まれており、現地の採点も8点でギラシと並ぶチーム最高となっている。15 前半に攻め切れなかったチームを、交代1枚で再び押し込む側へ戻した。15
POOR
ミカウタゼ
ビジャレアル / 前線 / 先発
66分のモウリーニョの同点弾を導いたのはこの選手である。15 ただし自身は半端な形の好機を作りながら決め切れず、追いつきながら勝ち点を持ち帰れなかった。15 敵地で3失点しながら2点を返した試合であり、あと1本を仕留められるかどうかが結果を分けている。15
クラブ・ブルッヘ 2–3 アストン・ヴィラ (→ 結果)
GOOD
パウ・トーレス
アストン・ヴィラ / センターバック / 先発
最終ラインから自分で運び、11分にはボックス手前まで持ち込んでマッギンへ落とした。5 この試合で決定機を4回演出し、アシスト2、ファイナルサードへのパス8本を記録している。地上戦のデュエルは全勝だった。10 リーグ戦で3試合無得点だったチームで、センターバック1人が攻撃の起点になった。10
現地の採点は8で、チーム最高。「圧巻」と評された。10
POOR
ヘミングス
アストン・ヴィラ / 攻撃的中盤 / 先発
タッチ数は36、パス成功率69%にとどまった。10 ビッグチャンスを2度逃し、地上戦のデュエル勝率も50%である。10 チームが3点を取り、パウ・トーレスが8点を得た夜に、ただ1人4点をつけられた。10
リール 2–3 レアル・ベティス (→ 結果)
GOOD
バルトラ
レアル・ベティス / センターバック / 先発
33分と49分、いずれもヘディングで決めた。9 , 17 センターバックが1試合2得点を挙げ、しかも2度とも追いかける展開を振り出しに戻す得点だった。9 この2本があって初めて、53分のパロットの一撃が決勝点になっている。17
POOR
イーサン・エムバペ
リール / 中盤 / 先発〜後半に退場
12分、右から上田綺世の頭へ合わせるクロスを送り、先制点を作ったのはこの選手である。9 ところが後半の早い時間、ナタンとの接触でその顔面へ肘を当て、VARの介入を経て一発退場となった。9 2–1で折り返した試合は、後半の8分間で2失点して逆転された。退場が結果に直結している。9
AEKアテネ 1–0 LASK (→ 結果)
GOOD
マリン
AEKアテネ / 中盤 / 先発
21分の直接フリーキックが、この試合唯一の得点になった。16 強く叩いたボールが上隅へ収まる形で、勢いも精度も申し分ない。16 AEKアテネにとってはチャンピオンズリーグで8年ぶりの勝利であり、その1本を蹴ったのがこの選手だった。16
POOR
ヨヴィッチ
AEKアテネ / センターフォワード / 先発
64分にネットを揺らしたが、オフサイドの判定で得点は認められなかった。16 試合を決められる場面で最終ラインを越えてしまい、AEKアテネは1点差のまま残り30分近くを守ることになった。16 勝ち切ったとはいえ、前線の仕事としては物足りない90分だった。
クリスタル・パレス 3–0 ミドルズブラ (→ 結果)
GOOD
ストランド・ラーセン
クリスタル・パレス / センターフォワード / 先発
前後半に1本ずつ、いずれもヘディングで今季初得点と2点目を決めた。18 1本目はミンゲサの左足のクロス、2本目はチルウェルの折り返しで、どちらも大外からのボールにセンターバック2枚の間へ入って合わせている。18 ホームズデール・オンラインの試合スレッドでも、前線での関係作りが良くなったという指摘が繰り返し出ていた。34
POOR
ブリン
ミドルズブラ / ゴールキーパー / 先発
大外からの折り返しに2度とも触れられず、いずれもヘディングで失点した。18 3失点目は抜け出した鎌田大地に頭上を越されている。18 ミドルズブラは開始30分の支配率が65%あり、内容で劣った試合ではないだけに、ゴール前の3場面がそのまま差になった。18
サンダーランド 1–0 ハル・シティ (→ 結果)
GOOD
タルビ
サンダーランド / ウイング / 21歳 / 先発
71分、ハル・シティのコーナーキックを跳ね返してのカウンターで最終ラインの背後を取り、ゴールキーパーの頭上へ柔らかく浮かせた。20 夏の移籍話を断ったうえでの決勝点であり、現地の採点は8である。20 抜け出しの速さより、最後の一触りを急がなかった判断が効いた。20
POOR
イシドール
サンダーランド / センターフォワード / 先発
数本の好機を得ながら決め切れず、採点は5.5にとどまった。20 サンダーランドはシュート15本 (枠内4本) を放っており、量は足りていた。20 1–0の勝利にとどまったのは、前線が好機を最後まで決め切れなかったためでもある。20
ボーンマス 4–0 リンカーン・シティ (→ 結果)
GOOD
クリスティ
ボーンマス / 中盤 / 先発
7分、69分、88分と3度決めた。21 1本目は右からのクロスに対してファーサイドで完全にフリーになっており、走り込む位置取りが相手の視野の外にあった。44 マルコ・ローゼ監督は「負傷から戻り、努力して、いま状態が戻ってきている。ふさわしい結果だ」と述べている。21
POOR
タウラー
リンカーン・シティ / 守備者 / 先発
21分、ゴール前が空いた状態でのヘディングを枠の大きく上へ外した。44 0–1で折り返せていた試合を振り出しへ戻せる場面であり、ここを外したことで終盤の2失点まで我慢を強いられている。44 10人を入れ替えた布陣で唯一続けて起用された選手であり、期待の掛かる立場での一本だった。44
ミルウォール 0–1 ニューカッスル (→ 結果)
GOOD
クーパー
ミルウォール / センターバック / 主将 / 先発フル出場
プレミアリーグ勢を相手に80分間ゴールを与えなかった最終ラインの中心だった。現地採点は8でチーム最高となる。23 ニューカッスルの前線はこの高さに苦しみ、ウィッサは枠内シュートを1本も打てないまま退いている。45 敗れはしたが、守り方そのものは成立していた。
POOR
ウィッサ
ニューカッスル / センターフォワード / 主将 / 先発〜66分
前線で違いを作れず、枠内シュートは0本に終わった。45 クーパーとテイラーの高さに封じられ、66分に退いている。23 , 45 クロニクル・ライブ紙の採点は4で、チーム最低だった。45
ブラックバーン 1–2 シェフィールド・ユナイテッド (→ 結果)
GOOD
モンゴメリー
ブラックバーン / 攻撃的中盤 / 先発
20分、20ヤードから強く叩いてクラブ初得点を挙げた。24 ランカシャー・テレグラフ紙は「見事なゴール」「素晴らしいシュート」として8点をつけ、チーム最高評価とした。25 敗れた試合でこの数字が出るのは、前半のブラックバーンが内容で上回っていたことの裏返しでもある。24
POOR
ピアーズ
ブラックバーン / ゴールキーパー / 先発
ランカシャー・テレグラフ紙は5点をつけ、「ゴールキーパーにとって良い夜ではなかった。ラインから出すぎたのではないかという疑問が残る」と書いた。25 トニー・モウブレイ監督も「失点はどちらも軽かった。1点目はゴールキーパーが蹴り出した数秒後に入っている」と述べている。24 前半だけで2失点した経緯に、この判断が絡んだ。
サウサンプトン 3–1 スウォンジー (→ 結果)
GOOD
シエンツァ
サウサンプトン / 左ウイング / 先発〜85分
78分、松木玖生の縦パスに背後で反応し、落ち着いて隅へ流し込んだ。26 それまでも相手の右サイドバックを再三振り切っており、サポーターの投票欄にも「右サイドバックを手玉に取った」「今日の一番」という書き込みが並んだ。46 点差を2に戻す3点目が、この選手の走り出しから生まれている。
POOR
オポク
スウォンジー / 攻撃的中盤 / 先発〜ハーフタイム
前半のうちに2失点し、ハーフタイムで退いた。26 首位で乗り込んだチームが45分で交代を強いられた形であり、中盤から前への繋ぎが機能していなかったことを示している。26 スウォンジーは後半にPKで1点差へ迫っており、前半の45分が惜しまれる。26
レクサム 1–1 バーンリー (→ 結果)
GOOD
エコミエ
レクサム / センターフォワード / 先発〜85分
55分、カボレの折り返しに頭で合わせて同点とした。今夏にアンジェから700万ポンドで加入して以来、公式戦2点目である。29 , 48 さらに73分には、自らの得点を守るようにソンネのシュートをゴールライン上でブロックしている。29 得点に加え、90分を通して守備でも試合に貢献した。
05 STAT OF THE DAY 今日のデータ1選
3.00 ─ アストン・ヴィラが敵地で積んだxG
この数字が意味を持つのは、直前の3試合と並べたときである。アストン・ヴィラはプレミアリーグの開幕3試合をブライトンに0–4、アーセナルに0–1、ハル・シティと0–0で終え、1点も取れていなかった。6 その同じチームが、敵地の90分でシュート21本、xG3.00を記録している。5
xGが3.00に達したということは、たまたま3本が入ったのではなく、3点分の決定機を実際に作ったということである。前半だけで3得点という内訳もそれを裏づけており、クラブが欧州カップ戦の前半に3点を取ったのは史上3度目、敵地では初となる。5
決定機が増えた背景には、パウ・トーレスが最終ラインからボールを運び出したことがある。持ち上がりで相手の中盤2枚を引きつけると、その背後に中盤が入る余地が生まれ、決定機の量そのものが増えた。10 得点が増える前に、ボールの運び方が変わっていた。
DATA BOARD ─ 今日の数字
Team xG Goals Note
アストン・ヴィラ 3.00 3 決定機の量でこの日の最多、しかも敵地
レアル・マドリード 2.91 2 支配率36%でこの数字を積んだ
マンチェスター・シティ 2.29 2 枠内10本、決めたのは後半の2本だけ
インテル 1.78 1 21本を放って1点、負けた側の最多シュート
上位3チームはこの日xGを取得できた4試合からの上位、4行目は編集部の選択。インテルはシュート数で相手を上回りながら敗れており、結果と内容が食い違った例として挙げた。5 , 12 , 14
06 TACTICAL TREND 今日の戦術トレンド
TODAY'S TREND
守備ブロックがボール側へ寄ると、逆サイドのファーポストが空いた。
この日に大量得点を挙げた側は、どこも似た守られ方をしていた。相手は4枚の最終ラインを保ったままボールのある側へ全体をスライドさせ、中央とニアサイドを厚くする。狙いは正しく、実際に中央からは通らない。ただしスライドの幅には限界があり、逆サイドのファーポスト付近には、最終ラインの端の選手が1人で2人を見る状況が残る。21 , 18
TACTICAL KEY
相手の対応 生まれた場所 攻撃側の使い方
全体がボールサイドへ寄る 逆サイドのファーポスト 大外から滞空時間のある折り返し
センターバックがニアを消す センターバック2枚の間 CFが一度ニアへ動いてから戻る
サイドバックが内へ絞る 大外の高い位置 逆サイドのウイングが幅を取る
効いた理由は、折り返しの質そのものより「二度動くこと」にある。センターフォワードが最初にニアへ入ると、センターバックはそこへ体を向ける。向きが決まった瞬間に外へ動き直せば、相手は背中側から追う形になり、頭で触る順番が入れ替わる。クリスタル・パレスのストランド・ラーセンが前後半に決めた2本は、どちらもこの形だった。18
MATCH EXAMPLES
ボーンマス 4–0 リンカーン・シティ ─ 7分の先制点は、右からのクロスに対してクリスティがファーポストで完全にフリーになっていた形である。リンカーン・シティはボール側に人数をかけており、逆の端まで手が回っていない。44
リール 2–3 レアル・ベティス ─ 12分、イーサン・エムバペが右から入れたクロスに、ファーサイドの上田綺世が頭で合わせた。ベティスの最終ラインはボール側へ寄っており、上田はその外で待っている。9
COUNTERPOINT
対抗策は単純で、最終ラインをボール側へ寄せすぎないことである。ただし4枚のまま横に広げれば、今度はセンターバック2枚の間隔が開く。クラブ・ブルッヘはこの日それで割られており、11分のマッギン、22分のブエンディアはいずれも中央から撃たれた得点だった。5 外を消せば中が開き、中を締めれば外が空く。どちらを渡すかの選択であって、両方は守れない。
TACTICAL TEST
明日のチェルシー対リーズで、押し込まれた側がファーポストをどう管理するか。2
07 RISING 若手株価上昇ランキング
シェムスディン・タルビ (サンダーランド / 21歳 / ウイング)
71分の決勝点では、抜け出した後の判断が光った。ハル・シティのコーナーキックを跳ね返したサンダーランドが一気に前へ出て、ムニエのパスでタルビが最終ラインの背後へ抜ける。ここで多くの選手は強く蹴るが、タルビは前へ出たゴールキーパーのフィリップスを見てから、柔らかく頭上を越した。20 現地の採点は8で、この日のチーム最高である。20 抜け出す速さを持つ選手は多いが、抜け出した後に一拍置ける選手は多くない。
昨夏にクラブ・ブルッヘから2050万ポンドで加入し、これまでに31試合4得点1アシストを記録している。北中米ワールドカップではモロッコ代表の26人にも入った。38 もっとも今季は、サウジアラビアとトルコのクラブが動いたことでレジス・ル・ブリス監督がヨーロッパリーグの登録メンバーから外しており、序列は決して安定していない。38 その状況でカップ戦に先発し、90分で結果を出した意味は小さくない。今季どこまで伸びるかは、リーグ戦の先発をどれだけ取り戻せるかに掛かる。
見誤りやすい点 ─ 移籍話の渦中にある選手が1点を決めたからといって、序列が戻ったとは限らない。ヨーロッパリーグの登録から外れている事実は、この得点では変わらない。38
08 ONE TO WATCH 今日の注目株
ライアン・クリスティ (ボーンマス / 中盤)
クリスティは中盤の選手ながら、7分、69分、88分と3度ボックス内へ入り、ハットトリックを決めた。21 1本目は右からのクロスにファーポストで合わせた形で、味方が大外へ運ぶ間に、誰にも見られない位置まで走り込んでいた。44 ゴール前へ入る回数ではなく、入る時間の選び方が3本を生んでいる。
スコットランド代表のこの選手は、負傷から戻ってきたばかりだった。マルコ・ローゼ監督は「クリスティにはふさわしい結果だ。負傷から戻り、努力して、いま状態が戻ってきている」と述べている。21 加入時に期待された役割は主に中盤の走力と守備の連続性であり、得点は付随的なものだった。今季ここで見えてきたのは、前向きにボックスへ入る回数を増やす使われ方である。
ボーンマスはこれから欧州の大会と国内カップとリーグ戦が重なる日程に入る。21 負傷明けの中盤に3つの大会でどこまで役割を任せるかは、ローゼ監督にとって現実的な問題になる。逆に言えば、この選手が「点も取れる中盤」として固定されれば、前線の負担配分そのものが変わる。次に見たいのは、リーグ戦でも同じ位置まで入っていけるかどうかである。
別の見方 ─ 相手は先発を10人入れ替えたリンカーン・シティだった。44 3本の内容は評価できるが、相手の顔ぶれを込みで見る必要がある。
09 MANAGER RATINGS 監督の采配採点
10点満点。当日の判断に対する評価であり、シーズン全体の評価ではない。
監督 クラブ 採点 講評
ウナイ・エメリ アストン・ヴィラ 8 リーグ戦3試合無得点のチームで、最終ラインから運び出す形を通した。エメリ監督自身は「一歩前進した。自信と安定にとって非常に重要だった」と述べている6
ピエール・サージュ クリスタル・パレス 8 押し込まれた時間帯の59分に鎌田大地とウォートンを同時投入し、中盤の保持を回復させた。3点目はその先で生まれている18 , 19
レジス・ル・ブリス サンダーランド 7 先発を11人入れ替えても構造を崩さず、無失点で4回戦へ進んだ。ただしイシドールら前線の仕上げは最後まで揃わなかった20
ニコ・コバチ ドルトムント 7 鈍い前半の後、ファビオ・シウバの投入で強度を上げた。一方で追加時間に1点差まで詰められており、締め方には課題が残る15
エンツォ・マレスカ マンチェスター・シティ 6 敵地で無失点勝利を収めたが、マレスカ監督自身が「もっと決められた。特に前半は」と認めるとおり内容は伴っていない13
トニー・モウブレイ ブラックバーン 5 内容で上回りながら前半の2失点で試合を落とした。モウブレイ監督は「失点はどちらも軽かった」と述べており、修正点は明確である24
10 JAPANESE PLAYERS 今日の日本人選手
対象17試合に出場した日本人選手は7人。ベンチ入りのみが1人だった。8 , 4
JAPAN SPOTLIGHT
鈴木彩艶
アストン・ヴィラ / ゴールキーパー / 24歳 / 先発フル出場
今日最も注目すべき日本人。
日本人ゴールキーパーがチャンピオンズリーグのピッチに立ったのは、この日が初めてである。8 , 40 今夏にパルマから加入したばかりの24歳が、敵地で90分を守り切った。
初出場という記録だけでなく、プレー内容も伴っていた。9分に相手の最初のシュートをパンチングで処理し、68分には強烈なミドルシュートと、その直後のコーナーキックからのヘディングを連続で止めている。終盤のトレゾルディのヘディングは危なげなく収めた。7 2失点はいずれも防ぎようのない形で、1点はPKだった。5
現地媒体が評価したもう一つの点は、配球だった。アストン・ヴィラ専門媒体のASTON VILLA REVIEWは8点をつけ「ヴィルジリのシュートを巧みに止め、フォルベスのシュートはパンチで弾き出した。フィードは距離感も精度も素晴らしかった」と書いた。バーミンガム・ライブ紙は6点としつつ「配球は並外れていて、多くのクロスをキャッチした」と評している。7 この日のアストン・ヴィラは、最終ラインからボールを運び出して前進していた。ゴールキーパーが後ろで長短を蹴り分けられることは、その形の前提にあたる。
ここまで公式戦3試合連続の先発で、プレミアリーグでも日本人ゴールキーパーとして初出場を果たしている。8 チームはリーグ戦3試合を勝ち星なし・無得点で終えており、この日が今季の公式戦初勝利となった。6 次に見るべきは、リーグ戦に戻っても同じように後方からの配球を任されるかどうかである。押し込まれる展開で長いボールを増やせと言われれば、この日の役割は成立しない。
LOCAL EYE ─ 英国現地から
鈴木彩艶 / ASTON VILLA REVIEW・Birmingham Live ─ 現地採点
同じ90分に、8点と6点が並んだ。 クラブ専門媒体のASTON VILLA REVIEWは8点をつけ、チーム最高タイとした。一方でバーミンガム・ライブ紙は6点である。7 割れたのは評価軸で、前者がセーブ2本を具体的に挙げたのに対し、後者は配球とクロス処理を評価している。2失点した試合でこの差が出るのは、ゴールキーパーの採点が「止めた数」だけで決まらないことを示している。
森下龍矢 / Lancashire Telegraph ─ 現地採点と移籍情勢
採点6、「試合の外縁にいた」。 ランカシャー・テレグラフ紙のエリオット・ジャクソン記者は森下に6点をつけ、「試合の外縁にいたが、良い場面もいくつかあった」と書いた。後半のほうが良かったとも付け加えている。25 フル出場しながら中心にはなり切れなかった、という評価にあたる。背景として、セルティックが夏の移籍期限日に動いたもののブラックバーンが拒否し、1月に再挑戦する可能性があるとアラン・ニクソン記者が報じている。35
旗手怜央 / Burnley FC ─ セルティックからの移籍後2試合目
73分、アレインに代わって投入。 旗手怜央は移籍期限日にセルティックから加入後、5日のブリストル・シティ戦(63分出場、アシスト1)に続く2試合目の出場となった。48 , 49 バーンリーは開幕6試合で未勝利のままで、ニッキー・ハイエン監督は試合前に「このまま後ろ向きではいられない。後ろ向きのままでは、この状況から永遠に抜け出せない」とチームに発していた。51 旗手はこの状況の立て直しを期待されて加入した一人である。
次田夏樹 / ミルウォール ─ トップチームのベンチ入り
プレミアリーグ勢との一戦で、背番号51がベンチに座った。 ミルウォールはニューカッスルを迎えたカラバオ杯3回戦で、次田夏樹をベンチに入れた。23 出場は無く、今季の公式戦出場は現時点で0のままである。36 アレックス・ニール監督はこの日5人の交代枠をすべて使い、62分に2枚、87分に2枚、88分に1枚を送り出した。23 枠を使い切っても出場機会は回ってこなかったが、トップチームの18人に入ったこと自体が、この選手にとって一段階の前進である。
ALL JAPANESE PLAYERS ─ 全選手一覧
選手 クラブ 出場 今日のポイント 次に見る点
鈴木彩艶 アストン・ヴィラ 先発フル出場 9分と68分に決定的な場面を止め、配球でも前進の起点になった。日本人ゴールキーパーとして初のチャンピオンズリーグ出場7 , 8 リーグ戦で押し込まれる展開でも、この日と同じ後方からの配球を任されるか
上田綺世 リール 先発〜77分 12分、右からのクロスにファーサイドで頭を合わせて先制。移籍後2試合で2点目、公式戦は5試合連続得点となる9 数的不利になった後半も含め、ポストプレーでどれだけ時間を作れるか
鎌田大地 クリスタル・パレス 59分〜 投入から13分後の72分に抜け出し、ゴールキーパーの頭上へ浮かせて3点目。中盤の保持を回復させる交代の一枚でもあった18 , 19 次節イプスウィッチ戦で先発に戻るか、それとも同じ役割で後半から使われるか
冨安健洋 クリスタル・パレス 先発 最終ラインで先発し、無失点で4回戦進出に貢献した。ミドルズブラに前半の支配率で上回られた時間帯を、失点なく通している19 , 18 カップ戦だけの起用に留まるのか、リーグ戦の最終ラインにも入ってくるか
森下龍矢 ブラックバーン 先発フル出場 右の攻撃的な位置で90分。地元紙の採点は6で、「外縁にいた」との評価だった25 後半のほうが良かったという評価どおり、立ち上がりから絡めるようになるか
松木玖生 サウサンプトン 76分〜 投入2分後の78分、背後へ抜けたシエンツァへ通して3点目を演出。仕掛ける役ではなく通す役で使われた26 この「通す役」での起用が続くか。先発の右サイドを取り返せるか
旗手怜央 バーンリー 73分〜 0–1のビハインドで投入。セルティックからの移籍後2試合目で、得点・アシストには絡まなかった48 , 29 未勝利のチームで、先発に定着していけるか
このほか、次田夏樹 (ミルウォール) と伊藤敦樹 (ボルトン) がベンチに入ったが、出場は無かった。23 , 28 守田英正 (ハル・シティ) と大橋祐紀 (ブラックバーン) は負傷でメンバー外だった。43 , 25 菅原由勢 (サウサンプトン) は、ベンチ入りを含めメンバー表で確認できなかった。26
11 INJURY & SUSPENSION WATCH 負傷・出場停止ウォッチ
選手 クラブ 状態 見通し
三笘薫 ブライトン ハムストリングの手術後 クラブは「手術は成功し、リハビリの初期段階に入った」と発表している39
守田英正 ハル・シティ 負傷で登録外 サンダーランド戦のメンバーに入らず。バトランド、ザンブラーノ、ヒューズ、ジャビらとともに欠場者に並んだ43 , 27
大橋祐紀 ブラックバーン メンバー外 ブラックバーンはフェブリエを臨時のセンターフォワードとして起用した25
イーサン・エムバペ リール 一発退場 ナタンへの肘打ちでVAR介入のうえ退場。次戦以降の出場停止が見込まれる9
カレツァス ドルトムント 前半に負傷交代 ヌワネリと交代。ドルトムントは前半のリズムを崩した15
マクネア ハル・シティ 足の検査結果待ち ディーン・ホールデン アシスタントコーチが検査結果を待つ状況だと説明した43
12 NEXT UP 次に見るべき試合
プレミアリーグ第4節は9月12日(土)に始まる。41
日付 (JST) カード 見どころ
9/12 23:00 クリスタル・パレス 対 イプスウィッチ 鎌田大地・冨安健洋と前田大然 が同じピッチに立つ可能性がある41
9/12 23:00 チェルシー 対 ハル・シティ 今季ここまで堅かったハル・シティの守備が、前夜に破られた直後の一戦41 , 18
9/13 04:00 サンダーランド 対 アーセナル カラバオ杯で11人を入れ替えたサンダーランドが、主力を戻してどう戦うか41 , 20
9/14 00:30 マンチェスター・ユナイテッド 対 マンチェスター・シティ ダービー。シティは内容を伴わないまま欧州初戦を勝った直後にあたる41 , 13
13 FLEET STREET 英国現地紙・ファンの論調
PRESS VIEW ─ 英国現地紙の論調
Sky Sports ─ ポルト 0–2 マンチェスター・シティ
見出しに「エンツォ・マレスカ監督にとって初のチャンピオンズリーグ勝利。ただしイングランド勢は感心させられなかった」と置いた。13 問題視したのは前半で、ハーランドがディオゴ・コスタに2本を止められ、ヘディングも枠を越えたことを具体的に挙げている。支配率64%で枠内10本を積みながら、決めたのが後半の2本だけだった点を問題視している。13 , 14
別の見方 ─ ポルトが枠内シュートを放ったのは57分のバレラの1本まで無かった。13 「感心させられない」内容でも、相手に何も作らせていないという読み方はできる。
Lancashire Telegraph (Elliott Jackson記者) ─ ブラックバーン 1–2 シェフィールド・ユナイテッド
採点記事の見出しに「もどかしい敗戦のなかの最高評価」と置き、モンゴメリーに8点をつけた。25 一方でゴールキーパーのピアーズには5点とし、「ラインから出すぎたのではないかという疑問が残る」と書いている。森下龍矢は6点で「試合の外縁にいたが、良い場面もいくつかあった」。25 内容で上回った側が前半の2失点で負けた、という整理になっている。
別の見方 ─ 同じ試合をシェフィールド・ユナイテッド側から見ると、クリス・ワイルダー監督の「泥臭い試合を求めていた」という言葉どおりの結果になっている。24 ブラックバーンが軽かったのか、相手が狙いどおりだったのかは分けて見る必要がある。
Chronicle Live (Lee Ryder記者) ─ ミルウォール 0–1 ニューカッスル
採点でシェアに8点をつけ、ルイス・ホールと並ぶチーム最高としたうえで、9か月に及ぶ負傷続きからの復帰戦だった点を重く見た。前半にPKを2度主張できる場面があり、「ときにニューカッスルの最大の攻撃的脅威だった」とも書いている。45 逆に最低評価は前線のウィッサで4点。枠内シュートを1本も打てなかったことを理由に挙げた。45
別の見方 ─ ウィッサが抑えられた相手は、この日8点の評価を受けたミルウォールのクーパーである。23 個人の不振としてだけ読むと、相手の出来を見落とす。
FAN PULSE ─ 現地サポーターの反応
クリスタル・パレス|鎌田の3点目と、後半に改善したプレス
ホームズデール・オンラインの試合スレッドでは、鎌田大地の3点目に対する反応が繰り返し出た。「magnificent」「exquisite」といった言葉で仕上げの質を評価する書き込みが並んでいる。34 次に多かったのがストランド・ラーセンで、「2得点とアシストを期待していた人は多くなかった」という趣旨の投稿のとおり、前線での関係作りが良くなった点に驚きが向けられた。34 最終ラインについては「冨安は質が高い、ディサシは堅実」という評価が出ており、後半に押し返せた理由を「プレスが無謀でなくなった」と説明する書き込みもあった。34
温度感:期待優勢 (観測はホームズデール・オンラインの試合スレッド1本に限られる)
WATCH NEXT 次に見るポイント
鎌田大地は、次節も後半からの一枚なのか。59分の投入で中盤の保持を戻し、そのまま3点目まで決めている。18 ピエール・サージュ監督がこれを「先発に戻す根拠」と見るのか、「後半に効く使い方」と見るのかで、9月12日のイプスウィッチ戦の起用が変わる。前田大然が相手にいる試合でもある。41
15 TOMORROW'S FIXTURES 明日の配信予定
9/9 9:30 〜 9/10 9:30 JST にキックオフする10試合は、チャンピオンズリーグ6、カラバオ杯1、チャンピオンシップ3となる。1 , 2 , 3
注目の一戦
チェルシー 対 リーズ (カラバオ杯3回戦 / 9/10 04:00 JST) ─ プレミアリーグ勢同士のカップ戦で、田中碧 が所属するリーズがスタンフォード・ブリッジへ乗り込む。2 見どころは両監督がどこまで主力を残すかである。この夜のカラバオ杯は先発を大きく入れ替えたクラブが多く、サンダーランドは11人、リンカーン・シティは10人を替えていた。20 , 44
リバプール 対 アトレティコ・マドリード (チャンピオンズリーグ第1節 / 9/10 04:00 JST) ─ この日の10試合でも特に注目度の高いカードだ。1 遠藤航が所属するリバプールにとって、リーグフェーズの初戦をアンフィールドで迎える形にあたる。遠藤航 の出場を断定はできない。
TOMORROW'S FIXTURES ─ チャンピオンズリーグ第1節
ホーム KICK OFF アウェイ 注目点
バルセロナ 9/10 01:45 フェイエノールト この日最も早い2試合のうちの1つ
シュツットガルト 9/10 01:45 バイキング リーグフェーズ初参戦クラブの初戦
リバプール 9/10 04:00 アトレティコ・マドリード 遠藤航が所属するリバプールの初戦
パリ・サンジェルマン 9/10 04:00 スロバン・ブラチスラバ 松岡大起の所属クラブが敵地へ
スポルティング 9/10 04:00 ガラタサライ ポルトガル勢は前夜のポルトが敗れている
ナポリ 9/10 04:00 アーセナル プレミアリーグ勢の敵地での初戦
TOMORROW'S FIXTURES ─ カラバオ杯3回戦
ホーム KICK OFF アウェイ 注目点
チェルシー 9/10 04:00 リーズ 田中碧が所属するリーズが敵地へ
TOMORROW'S FIXTURES ─ チャンピオンシップ第6節
ホーム KICK OFF アウェイ 注目点
ノリッジ 9/10 03:45 バーミンガム 岩田智輝と藤本寛也が所属するクラブの一戦
ダービー 9/10 03:45 ウェスト・ブロムウィッチ 第6節の残り3試合の1つ
チャールトン 9/10 04:00 QPR 斉藤光毅が所属するQPRが敵地へ
ほかにFA杯予選1回戦の再試合3試合 (ビショップ・オークランド対エムリー、AFCホワイトリーフ対クロウバラ・アスレティック、エクスマス・タウン対バンベリー・ユナイテッド)。32
PREMIER LEAGUE DAILY
対象期間 9/8 9:30 〜 9/9 9:30 JST / 発行 2026.9.9 JST