
遠藤 航
WATARU ENDO
危険が大きくなる一歩前に潰し、試合の温度を下げる守備者。シュツットガルトでは主将として中央を支配し、リバプールでは終盤を閉じる控え役と複数ポジションの緊急要員を引き受けた。2026年は左足の負傷から復帰した一方、序列を取り戻す戦いが続く。
直近の出場
2026.05.31 日本 1–0 アイスランド
キリンチャレンジカップで先発し、前半で交代。2月の負傷以来の出場で、これが最後のA代表戦となった24, 25, 13。
2026.02.11 サンダーランド 0–1 リバプール
右サイドバックで先発。後半に負傷して担架で退き、69分に交代した26, 8。
2026.01.31 リバプール 4–1 ニューカッスル
87分から途中出場27。
派手な突破や長距離シュートより、相手の次のプレーを消すことに価値がある。遠藤の試合は「ボールに触った瞬間」より、その直前を見ると輪郭が出る。
選手像
相手と正面衝突するだけでなく、パスコースを限定してから奪う守備的MF。センターバック経験によるカバー感覚も持つ。
最大の特徴
体格差を間合いと先読みで埋めるデュエル。シュツットガルト時代はブンデスリーガのデュエル勝利数で2季連続首位だった。
チームでの役割
現在は先発のアンカーというより、終盤の守備安定、センターバック/右サイドバックの非常時を埋める経験豊富な控え。
試合で見るなら
相手が中央へ入れる前、遠藤がどちら側を閉じているかを見る。奪った直後に難しい縦パスを避け、味方へ預け直す判断も特徴。
湘南の育成組織からJリーグ、ベルギー、ドイツ、そしてプレミアへ。本線は契約上の所属、破線は期限付き移籍を示す。数字はリーグ戦に統一した。
南戸塚中学校から湘南の育成組織へ。高校在学中の2010年にトップチーム登録。
センターバックを主戦場にプロの基礎を作る。2014年はJ2優勝。
3バックの一角と中盤を経験。国内カップとアジア制覇を経て欧州へ。
欧州で守備的MFへ重心を移し、中央での強度を評価された。
当初は期限付き移籍。先発に定着し、1部昇格へ貢献。
Return → シント=トロイデン(その後シュツットガルトへ完全移籍)主将に就任。2021-22最終節の後半AT弾で残留を決め、「LEGENDO」と呼ばれる象徴になった。
LAST FULL SEASON ─ 2022-23 VfB STUTTGART
| 大会 | 出場 | 分 | 得点 | アシスト | 主要指標 |
|---|---|---|---|---|---|
| Bundesliga | 33 | 2,925 | 5 | 4 | デュエル勝利439(リーグ4位) |
| 残留PO | 2 | 180 | 0 | 0 | 2試合ともフル出場 |
| DFB杯 | 5 | 418 | 1 | 0 | 準決勝進出 |
加入初年度にリーグ杯、2年目にプレミアリーグ優勝。リーグ数字は2025-26終了時点。2026-27開幕3試合はいずれもベンチ入りしたが出場なし17。
APP/G/Aは各国内リーグのみ。湘南・浦和・シント=トロイデンのアシストは同一基準で検証できないため「—」。シュツットガルトの完全移籍行は1部3季のみで、2部の期限付き期間と重複させていない。
2026年9月時点の遠藤は、ボールを長く持つ先発アンカーではなく、試合を閉じる局面と欠員時の守備ラインを担うユーティリティ要員である。
ビルドアップ
センターバックの前で斜めの受け口を作り、奪われにくい短いパスで循環させる。相手が背後から強く追う状況では、前向きで受けられる味方へ早めに逃がす。
非保持
ボールへ一直線に出るより、中央の縦パスを消しながら距離を詰める。右SBでは外への対応とファー側の絞りを優先する。
攻守切替
奪った直後の1本目を安全に味方へ渡し、相手の即時奪回を外す。攻撃から守備へ変わる瞬間は、最終ライン前の穴へ最短で戻る。
ボタンで局面を切り替える。遠藤だけでなく、味方と相手も動くことで「なぜその位置へ移るか」を示す。
中央の出口を作り、前向きの味方へ
センターバック間へ落ちすぎず、相手FWの背後で斜めのパス角度を作る。
- 01相手FWの影から外れる
- 02受ける前に次の味方を見る
- 03中央を前進させて背後を支える
2026-27シーズンのクラブ公式戦には、まだ出場していない。プレミアリーグは7試合のうち6試合でベンチに入ったが出番は無く、9月20日のボーンマス戦は遠征メンバーから外れた36, 30。前節から10人を入れ替えたカラバオ杯3回戦でも、ベンチから呼ばれなかった32, 33。
2026-27 PREMIER LEAGUE ─ 2026.10.17終了時点
| 日付 | 相手 | 大会 | 結果 | 先発/途中 | 分 | 位置 | G | A | 役割・内容 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026.10.17 | ブレントフォード | PL | ○ 2–1 | ベンチ | 0 | — | 0 | 0 | 控え9人に入ったが未出場。リバプールは逆転で勝ち、イサクが決勝点を挙げた28。 |
| 2026.10.11 | マンチェスター・シティ | PL | ● 0–3 | ベンチ | 0 | — | 0 | 0 | 控えで出番なし。フラーフェンベルフが2枚目の警告で退場した後も、交代5枠は他の選手に使われた29。 |
| 2026.9.20 | ボーンマス | PL | ○ 1–0 | メンバー外 | 0 | — | 0 | 0 | 遠征の21人に入らず、国内の公式戦では今季初めてメンバー外となった。This Is Anfieldは、新たな負傷者は出ていないと伝えた30, 31。 |
| 2026.9.15 | トッテナム | カラバオ杯 | ○ 3–1 | ベンチ | 0 | — | 0 | 0 | 3回戦。前節から10人を入れ替えた先発に入らず、5人の交代にも含まれなかった32, 33。 |
| 2026.9.12 | フラム | PL | △ 0–0 | ベンチ | 0 | — | 0 | 0 | 控えで出番なし。試合後、イラオラ監督は「プレシーズンのかなりの部分を失い、まだ最高の状態ではない」と説明した34, 35。 |
公式戦のApps / Starts / Minutes / G / A / Cardsは10月17日終了時点。ベンチ入りだけではAppsに数えない。UEFAチャンピオンズリーグはリーグフェーズの登録外のため、9月9日のアトレティコ・マドリード戦と10月14日のLASK戦は表に含めていない(いずれもメンバー外)21, 37。8月の親善試合2試合(モナコ戦・コモ戦)は、公式戦が5試合に達したため表から外した(復帰の経緯は08 WHAT’S CHANGED?)。次戦は10月25日(日)のブライトン戦(プレミアリーグ、アンフィールド、英国時間14時・日本時間23時)。その前の10月20日のビジャレアル戦はチャンピオンズリーグのため出場できない38。
比較可能な公開実数だけを使う。母集団を完全取得できない項目は人数順位を表示せず、起用法の変化を同じ行で読む。
| 指標 | 2022-23 Bundesliga シュツットガルト | 2023-24 Premier League リバプール | PL DAILY VIEW |
|---|---|---|---|
| 出場 / 先発 | 33 / 332,925分 | 29 / 201,722分 | 全試合級の主将から、競争のある中盤の一員へ。最大の変化は能力値より出場時間。 |
| 得点 / アシスト | 5 / 4リーグ戦 | 1 / 0リーグ戦 | シュツットガルトではエリア侵入も担ったが、リバプールでは後方安定の比重が増えた。 |
| デュエル勝利 | 439リーグ4位 | 同一定義なし順位算出不可 | 強み自体は残るが、異なるデータ提供元の「duel」を直接比較しない。 |
| チーム内の位置づけ | 主将・中盤の基準点 | ローテーション終盤投入+CB | 保持時間の長いチームでは、奪取力だけでなくプレス下の配球速度が選考を左右した。 |
対象:2022-23 Bundesliga全選手。デュエル勝利順位はブンデスリーガ公式発信。集計日:2023.8.17。
対象:2023-24 Premier League。全選手の同一定義デュエル値を取得していないため順位算出不可。出場値はリーグ公式/FBref。
縦パスを「待つ」のではなく、出させて刈る
遠藤は受け手へ密着し続けない。いったん数歩離れてパスが通るように見せ、出た瞬間に前へ出る。身体を相手とボールの間へ入れ、最初の接触で奪い切れなくても味方が回収できる方向へ押し出す。
センターバック経験があるため、背後の危険を確認してから前へ出られる。単発のタックルではなく、後方ラインと連動した「許可されたギャンブル」である。
リーグ20試合中19試合が途中出場。リードを守る終盤の交代要員として優勝に貢献。
ボーンマス戦ではCB、サンダーランド戦ではRBで先発。欠員を埋める役割が前面に出た。
2月11日に負傷し長期離脱。W杯を辞退し、8月9日のモナコ戦でクラブ実戦へ戻った。
「クローザー」「国内戦の控え」はPL DAILYの分析表現。出場形態、負傷、復帰、登録状況という事実とは区別している。
加入時に「ピッチ上のマシーン」「経験豊富で、非常によく働く」と評価。守備強度だけでなくボールを扱える点も強調した。
限られた出場でもチームを助ける姿勢を繰り返し評価。終盤投入とセンターバック起用は、信頼の範囲が狭いのではなく役割が明確だったことを示す。
優勝季の20リーグ出場と、リードを守る終盤の役割を公式が整理。ウルブズ戦では短い出場ながらサポーター投票のPlayer of the Matchになった。
キャラガーは、遠藤がイラオラ体制で出場機会を得にくい現状を踏まえ、夏に退団を認めるべきだったとの見方を示した。一方で、リバプールで支持を得た存在であること自体は認めている22。
フラム戦後の会見で遠藤について問われ、「プレシーズンのかなりの部分を失い、まだ最高の状態ではないが、練習ではとても良くやっている」と答えた。同じポジションでニョニ、フラーフェンベルフ、マクアリスター、ソボスライに出場時間を与えていると挙げて競争相手の多さを認めたうえで、「間違いなく私が好きな選手で、必ず彼の出番は来る」と述べた35。
キャラガーの指摘は個人の見解であり、英国メディア全体の総意とは扱わない。イラオラ監督の発言の後も、10月17日までの公式戦で遠藤の出場は無い36。サポーター人気やプロ意識への過去の評価と、2026-27の競技上の厳しい序列は分けて読む。
ロシアW杯では出場なし、カタールW杯では中盤の主力、次のサイクルでは主将。2026年W杯直前、負傷による辞退と同時に代表引退を発表した。
| 代表 | 期間 | 出場 | 得点 | 主な大会・出来事 |
|---|---|---|---|---|
| U-19 / U-20日本代表 | 2011–2012 | — | — | AFC U-19選手権2012など。通算値は推測せず非掲載。 |
| U-23日本代表 | 2014–2016 | — | — | 2016 AFC U-23選手権優勝、リオ五輪。 |
| 日本五輪代表 | 2016 | 3 | 0 | リオデジャネイロ五輪グループステージ3試合。 |
| 日本代表(A代表) | 2015–2026 | 73 | 4 | 2018・2022 W杯、2019・2023アジアカップ。2023年から主将。 |
クラブとの違い
リバプールでは終盤の安定役や守備ラインの補完が中心だったが、日本代表では中盤の基準点であり、周囲へ守備の出るタイミングを示す主将だった。クラブでの出場時間が短くても、代表では「代える側」ではなく「構造を保つ側」だった。
JAPAN MILESTONES ─ 代表での節目
- 2026.10.18JAPANESE PLAYERS ─ ブレントフォード戦はベンチ入り/出場なし。
- 2026.10.15JAPANESE PLAYERS ─ LASK戦はチャンピオンズリーグの登録外。現地報道の紹介とINJURY欄でも扱った(「負傷から戻ったばかり」とした記述は下の注記を参照)。
- 2026.10.12JAPANESE PLAYERS ─ マンチェスター・シティ戦はベンチ入り/出場なし。
- 2026.09.21JAPANESE PLAYERS ─ ボーンマス戦は遠征メンバー21人に入らずメンバー外。現地メディアの報道も紹介。
- 2026.09.16JAPANESE PLAYERS ─ カラバオ杯3回戦トッテナム戦はベンチ入り/出場なし。10人を入れ替えた試合でも呼ばれなかった点を、現地記者の見方とともに扱った。
- 2026.09.13JAPANESE PLAYERS ─ フラム戦はベンチ入り/出場なし。
- 2026.09.05JAPANESE PLAYERS ─ イプスウィッチ戦はベンチ入り/出場なし。CLリーグフェーズ登録外と現在の序列も整理23。
- 2026.08.28ALL JAPANESE PLAYERS ─ プレミアリーグ在籍日本人の一覧に掲載。
2026.09.05号と2026.08.28号は保存済みの本紙HTMLを直接確認。見出しのリンク先は premier-cl.jp の公開版で、2026.09.17に公開版の表示と、保存版との本文一致を確認した。旧版の2026.09.03項目は対応する本紙HTMLを直接確認できなかったため、今回の「実ファイル確認」基準に合わせて掲載対象から外した。2026.09.13〜10.18の6号は、保存版(PL_DAILY/out/PL_DAILY_20260913.html ほか。10.18号は PL_DAILY_20261018.html)で遠藤の掲載を確認し、2026.10.18に公開版の表示(HTTP 200、#japan あり)と、遠藤を扱った行・段落の一致を確認した。同じ期間のほかの号(9.06・9.09・9.12・9.15・9.20・10.11・10.14・10.17)は、次戦の一覧や日程、前号への言及の一文に名前が出るだけのため載せていない。10.15号はスカイの速報にもとづき遠藤を「負傷から戻ったばかり」と書いたが、9月20日の選外を伝えた現地報道は新たな負傷者は無いとし、シティ戦前のクラブのチーム情報にも遠藤の負傷の記載は無い。本ページはこの記述を採らない30, 39。
クラブ・リーグ・経歴
- Liverpool FC, Liverpool agree deal to sign Wataru Endo from Stuttgart, 2023.8.18.
- Liverpool FC, Six things to know about Wataru Endo, 2023.8.18.
- VfB Stuttgart, Wataru Endo player profile 2022-23.
- Premier League, Wataru Endo profile & stats.
- FBref, Wataru Endo stats, 2026.9.4取得.
現在の役割・直近状態
- Liverpool FC, Coming back to Japan as a Liverpool player was a dream come true, 2025.7.30.
- Liverpool FC, On Bournemouth disappointment and returning to the team, 2026.1.26.
- Liverpool FC, Arne Slot issues Wataru Endo injury update, 2026.2.13.
- Liverpool FC, Liverpool beaten by Monaco in pre-season friendly, 2026.8.9.
- Soccerway, Wataru Endo — last matches, 2026.9.4取得.
評価・日本代表
- Liverpool FC, Jürgen Klopp’s reaction to Wataru Endo signing, 2023.8.18.
- Liverpool FC, Endo on becoming a Premier League champion, 2025.6.15.
- Liverpool FC, Endo withdraws from Japan’s World Cup squad, 2026.6.11.
- JFA, 遠藤航 選手情報, 2026.
- AS, El Liverpool fulmina a Chiesa, 2026.9.4(遠藤の欧州登録外も報道).
- Wikimedia Commons, Category: Wataru Endo, 2026.9.4確認.
2026.09.05 差分更新
- Liverpool FC, Confirmed Liverpool line-up v Ipswich Town, 2026.9.4.
- Liverpool FC, Alexander Isak scores twice to secure Liverpool win at Ipswich, 2026.9.4.
- Liverpool FC, Liverpool play out stalemate in game one with Como at AXA Training Centre, 2026.8.16.
- Liverpool FC, Liverpool submit Premier League squad list for 2026-27, 2026.9.3.
- UEFA, Liverpool FC squad — UEFA Champions League 2026/27, 2026.9.5確認.
- talkSPORT, Jamie Carragher brutally tells Liverpool they should have let ‘cult hero’ go, 2026.9.5.
- PREMIER LEAGUE DAILY, PL_DAILY_20260905_v5.html — JAPANESE PLAYERS(保存済み本紙HTMLを直接確認), 2026.9.5.
2026.10.18 差分更新
- JFA, スタメン/試合結果|キリンチャレンジカップ2026(日本 1–0 アイスランド、公式記録), 2026.5.31.
- Liverpool FC, Wataru Endo returns to action in Japan friendly, 2026.5.31.
- Premier League, Sunderland vs Liverpool, 2026.2.11(同サイトの試合データで先発・交代を確認).
- Premier League, Liverpool vs Newcastle United, 2026.1.31(同サイトの試合データで交代を確認).
- Liverpool FC, Alexander Isak scores winner to earn Liverpool comeback victory over Brentford, 2026.10.17.
- Liverpool FC, Match report: Liverpool beaten by Manchester City in PL clash at Anfield, 2026.10.11.
- This Is Anfield, Wataru Endo left out as 21-man Liverpool squad vs. Bournemouth ‘revealed’, 2026.9.20.
- Liverpool FC, Confirmed Liverpool line-up v AFC Bournemouth, 2026.9.20.
- Tottenham Hotspur, Confirmed line-ups | Liverpool vs Spurs | Carabao Cup, 2026.9.15.
- FotMob, Liverpool vs Tottenham Hotspur — Match, 2026.10.18取得(交代の記録).
- Liverpool FC, Confirmed Liverpool line-up v Fulham, 2026.9.12.
- Liverpool FC, In full: Andoni Iraola’s press conference after Liverpool 0-0 Fulham, 2026.9.12.
- FotMob, Wataru Endo — Player profile, 2026.10.18取得(試合別の出場記録).
- Liverpool FC, Team news: Confirmed Liverpool line-up v LASK, 2026.10.14.
- Premier League, Liverpool vs Brighton and Hove Albion, 2026.10.18確認(同サイトの試合データで日時・会場を確認).
- Liverpool FC, Liverpool v Manchester City: Team news, 2026.10.10.
ヘッダー写真:Wataru Endo Japan (2).jpg。撮影者 Endoyatto、2018年6月8日、本人による撮影。Public Domain(商用利用・改変とも制限なし)。表示上は4:5にトリミング。ライセンス確認日:2026年9月4日。
クラブ公式写真、通信社写真、エンブレムは使用していない。本ページは選手・クラブの公認を意味しない。