MANAGER PROFILE
写真は使わず、オリジナルのグラフィックで代替した。白=4人の最終ライン。緑=終盤に加わる5人目のセンターバック。
トーマス・トゥヘル
THOMAS TUCHEL
England HEAD COACH着任 2025.1.1(発表 2024.10.16)/契約 EURO 2028まで1, 2
問題が起きたら、
形を変えて助けに行く。
膝のけがで25歳で現役を引退し、ラルフ・ラングニックに誘われて指導者に転じたドイツ人監督である3, 4。マインツ、ドルトムント、パリ・サンジェルマン(PSG)、チェルシー、バイエルン・ミュンヘンを率い、2021年にチェルシーでチャンピオンズリーグを制した3。2025年1月にイングランド代表を引き継ぎ、W杯予選を8戦全勝・無失点で突破し、2026年W杯では3位に入った5, 6。
「形を変えれば、ピッチの選手を助けられるのか」
本紙が立てた問い。トゥヘルは2026年9月、W杯準決勝の交代について「それが監督の介入というものだ。助けようとする」と語った7。2015年のCNNも、彼の考え方を「監督の最も重要な仕事は、チームを支え、助けること」と伝えている8。答えは 03 TACTICAL LINEAGE の NON-NEGOTIABLES にある。就任後は22試合17勝2分3敗、51得点17失点9, 10。W杯は準決勝でアルゼンチンに1-2で敗れ、3位決定戦でフランスに6-4で勝った11, 6。次戦は9月26日(土)19時45分(英国時間)、ウェンブリーでのネーションズリーグ、スペイン戦。日本時間では27日(日)午前3時45分の開始12。
SIGNATURE MOVEこの監督の一手
短名CBを足して5バック ─ リードして迎えた終盤、攻撃の選手を下げてセンターバックを1人入れ、最終ラインを5人にする。W杯2026の決勝トーナメントで3試合続けて使った
※ 布陣上の標準配置であり、特定の瞬間の座標ではない。5人の並び(誰がどのセンターバックに入ったか)は資料で確定できないため模式。矢印は、入る選手の位置を示す概念図。相手(薄い丸)は、アルゼンチンが64分以降に攻撃の選手を増やした4-2-4(Sky Sports の記述)の模式。
- 何を狙うのか最終ラインの中央にセンターバックを3人残し、両サイドも守ること。トゥヘルは準決勝の交代を「幅をうまく扱えるうえ、クロスが入ってきても中にセンターバックが3人いる」と説明した7。試合直後にも「クロスを上げ続けられたので、中の隙間を閉じ、空中戦に強くするため5バックにした」と話している18。
- 誰が動くのか入るのはセンターバック。メキシコ戦はバーン(エリオット・アンダーソンと交代)、ノルウェー戦もバーン(ジュード・ベリンガムと交代)、準決勝はコンサ(ゴードンと交代)だった9。両サイドバックは5人の列の外側に立ち、中盤は4人(5-4-1)か3人(5-3-2)になる。
- 何が起きれば成功か残り時間を失点なしで終えること。メキシコ戦は10人で3-2のまま11分のアディショナルタイムを守り切り、ノルウェー戦は111分以降を無失点で終えた17, 19, 9。準決勝は72分に形を変えた後、85分と90+2分に失点し、1-2で敗れた11。
- 相手はどう対処するか前線の人数を増やし、クロスと遠めのシュートを重ねる。アルゼンチンは64分から攻撃の選手を足し、トゥヘルの言葉では「4人のストライカー」「時に3-1-6」で来た7。同点弾はペナルティーエリアの外から、決勝点はリオネル・メッシのクロスからのヘディングだった11, 9。ゴードンの先制点から決勝点までの支配率は12%(Sky Sports News)20。
01MANAGER GUIDE30秒で理解する監督と、試合で見る3ポイント
イングランドを60年ぶりのW杯メダルへ導いた監督が、準決勝の交代をめぐる強い批判を受けたまま、新しいシーズンに入る6, 20。本人は9月に「私の傷で、あなたの傷ではない。決めるのは私だ」と語り、判断が早すぎたことも認めた7。
PL DAILY MANAGER ANALYSIS この章の監督像と観戦の視点は編集部の分析。就任・成績・起用の事実には脚注を付した。
ドイツの2部と下部リーグでプレーしたセンターバックで、膝のけがで25歳で引退した3, 8。ウルムでの監督だったラングニックに誘われて指導者になり、育成年代から積み上げた4, 3。マインツの当時のマネージャー、クリスティアン・ハイデル(Christian Heidel)は「完璧主義者で、どの相手もAからZまで調べる」と評している21。2021年にはUEFAとFIFAの年間最優秀監督に選ばれた1。
トゥヘルは相手と試合状況に応じて布陣を選び、試合中にも変える。プレミアリーグ公式の集計では、2009〜2024年のクラブでのリーグ戦426試合で17の布陣を使った15。変わらないのは守備に求める強度で、同じ集計は「強度と攻撃性を求めるが、ハイプレスとは限らない」と書く15。イングランドでは4-2-3-1で入り、守備は2列の4-4-2で構える9, 16。
02CAREERウルムのセンターバックから、ウェンブリーのベンチへ
イングランド代表は6つ目の監督職で、代表チームの指揮は初めて3。紫の主線=監督職、淡い青の分岐=監督以外の役職と休養。
アウクスブルク(下部組織) → シュトゥットガルター・キッカーズ → ウルム
父が指導した地元のクラブから、アウクスブルクの下部組織へ進んだ。19歳で放出され、2部のシュトゥットガルター・キッカーズで2季を過ごしたが、出場は限られた3。1994〜98年のウルムで、監督のラングニックの指導を受けた。本人は、この時期が試合の見方と、チームにさせたいプレーに影響したと語っている(ブンデスリーガ公式)13。膝の軟骨のけがで1998年、25歳で引退。在籍中から経営学を学び、カクテルバーで働いた3。
MILESTONE アウクスブルクのユースで、1991年と1992年にドイツユース杯を制した8。
〜2014.5
〜2017.5
〜2020.12
〜2022.9
〜2024.6
各任期の試合数と勝敗はFotMobの集計による10。マインツ期はFotMobに149試合(60勝34分55敗)の記録があるが、同社に2009/10の順位表が無く、5季のリーグ戦だけで170試合になるため、欠けがあるとみて載せていない。FA公式のプロフィールは、チェルシーを離れた時期を「2023年3月」、バイエルンの2023/24を「2位」と書くが、本紙はチェルシー公式の発表(2022年9月7日)とFotMobの順位表(3位)に合わせた3, 27, 14。FA公式の2026年2月の発表は予選の得点を「20」と書くが、試合ごとの記録を足すと22になる2, 9。
03TACTICAL LINEAGEなぜこの戦術に至ったか
トゥヘルはウルムでラングニックから指導を受け、引退後はそのラングニックに招かれてシュツットガルトの育成コーチになった13, 3。本人が公に「大きな影響」と認めたのはペップ・グアルディオラで、2014年12月の休養中には、ミュンヘンのバーで3時間、塩と胡椒の瓶を動かしながら戦術を語り合っている28, 8。
NON-NEGOTIABLES / ADAPTATIONS
| NON-NEGOTIABLES 変えないもの | 根拠 |
|---|---|
| 形は相手と状況で選び、試合中にも変える | CNNは2015年、ドルトムント就任直後のトゥヘルを「試合計画は相手の配置を映し、週の練習でも試合中でも選手の振る舞いを変える」と紹介した8。サッカーキングも同じ年、「マインツ時代から対戦相手やチーム状態に応じて猫の目のように戦術やフォーメーションを変える指揮官として知られた」と書いた29。クラブのリーグ戦426試合で17の布陣を使っている(プレミアリーグ公式)15 |
| 監督の仕事は、選手を助けること | CNN(2015年)は彼の考え方を「監督の最も重要な仕事は、チームを支え、助けること」と伝えた8。2026年9月、本人はW杯準決勝の交代を「それが監督の介入というものだ。助けようとするだけで、自分のエゴのために何かを持ち込むことはない」と説明している7 |
| いちばん大事なのはチーム | CNN(2015年)は「グループが常に最も重要な要素」と書いた8。W杯のメンバー発表(2026年5月)では「最高のチームを選び、つくろうとしてきた。それは最も才能のある26人を集めることとは限らない」「タイトルを取るのはチームだ」と話した30。W杯の後も、そこで築いた「兄弟愛」と精神について「交渉しないし、譲らない」と言っている24 |
| 守備は強度と攻撃性で | マインツとドルトムントで指導を受けたパク・チュホ(Park Joo-ho)は2015年、「トゥヘルさんは『全員が強い気持ちを持って戦わないとダメだ』ということを厳しく言う人。そこはマインツ時代から変わっていません」と語った29。プレミアリーグ公式は「強度と攻撃性を求めるが、ハイプレスとは限らない」と書く15。W杯のパナマ戦後は「1対1を攻撃的に守るやり方をとっている」と話した31 |
| ADAPTATIONS 相手と選手で変えるもの | 根拠 |
|---|---|
| 最終ラインの枚数 | チェルシーではリーグ63試合中55試合が3バックで、バイエルンでは3-4-2-1をリーグ43試合で1回しか使っていない(プレミアリーグ公式)15。イングランドは4バックで入り、リードした終盤に5バックへ移る(SIGNATURE MOVE)9, 7 |
| ボールを持つ量 | チェルシーのリーグ戦の平均支配率は62.2%だったが、チャンピオンズリーグ決勝は39.6%で勝った15。イングランドのW杯は、メキシコ戦が33.1%、準決勝が35.8%だった(Opta)9 |
| 前線の人選 | W杯8試合のうち4試合で、右WGのノニ・マドゥエケが先発し、ブカヨ・サカは途中から入った。サカはアキレス腱の不調を抱えて大会に入っていた9, 32。日本戦はケインが不在で、フォーデンを「片側だけの偽9番」に置いた(本人)33, 34 |
NON-NEGOTIABLESの4行は、いずれも2つ以上のクラブか時点で確かめた。1行目はドルトムント就任時の記事とマインツ時代の記述、クラブでの布陣の集計とイングランドでの談話、2行目と3行目は2015年のCNNの紹介と2026年の本人の言葉、4行目はマインツとドルトムントの選手の証言とプレミアリーグ公式の分析、イングランドでの談話による8, 29, 15, 7, 23, 31。冒頭の問いに戻ると、トゥヘルの答えは「形は助けるための道具で、変えてよい」(1行目と2行目)になる。ただし準決勝で本人が振り返ったように、形を変えても、4行目の強度とボールを持つ時間が伴わなければ、選手は助からない(07)7, 35。PL DAILY ANALYSIS
TACTICAL FAMILY TREE
線は4種類。PLAYED FOR の1本は、1994〜98年のウルムでラングニックの指導を受けたこと(ブンデスリーガ公式)による13。COACHED UNDER の2本は、2000年にシュツットガルトの育成コーチとして招かれたこと(当時のトップチームの監督がラングニック、FA公式)と、ダニエル・ファルケがトゥヘル体制のドルトムントで2軍を率いたこと(ブンデスリーガ公式)による。後者は、トゥヘルから下流へ伸びる線として描いた3, 4。PUBLICLY CITED の1本は、2021年4月の本人の談話(AFP)による28。TACTICAL COMPARISON の1本は、ドルトムントのU-23でプレーした丸岡満の「クロップさんとトゥヘルさんはゲーゲンプレスは全く一緒」「トゥヘルさんの方がより戦術を重視します」という証言(サッカーキング、2015年)と、クロップの4-3-3を引き継いでボール保持を重視する形へ変えたという Coaches’ Voice の分析による29, 36。トゥヘルは、クロップが長く率いたマインツとドルトムントの両方で監督を務め、ドルトムントでは直接の後任だった8, 3。本紙は「〜系」という呼び名を付けていない。
SYSTEM BY SEASON
| 季 | チーム | 基本布陣 | 主な変更 | 成績 | 変更理由(根拠) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2009/10 〜2013/14 | マインツ | 4-2-3-1(在任中の最多)15 | 試合ごとに布陣を替える29 | 9位、5位、13位、13位、7位4, 14 | 分析媒体相手の配置を映す試合計画(CNN)8 |
| 2015/16 〜2016/17 | ドルトムント | 4-2-3-1(在任中の最多)15 | クロップの4-3-3を継いで保持を重視。1季目の終盤から3バックも36 | 2位(勝点78)→3位、DFBポカール優勝14, 3 | 分析媒体速攻のチームから、長い組み立てで押し込むチームへ(Coaches’ Voice)36 |
| 2018/19 〜2020/21 | PSG | 4-3-3(リーグ・アンでの第一の形)15 | 1季目は3バックも。2019/20は4バックで、攻撃時は4-2-2-236 | 優勝→優勝(国内4冠、CL準優勝)→途中退任14, 3 | 分析媒体ネイマールとエムバペを中へ寄せ、幅はSBが取る(Coaches’ Voice)36 |
| 2020/21 〜2022/23 | チェルシー | 3-4-2-1(リーグ63試合中38)15 | 就任直後から3バック。63試合中55試合が3バック15 | 4位(CL優勝)→3位→2022年9月に退任14, 27 | 分析媒体長く続けた思想ではなく、手元の選手に合った形(プレミアリーグ公式)15 |
| 2022/23 〜2023/24 | バイエルン | 4-2-3-1(在任中の最多)15 | 3-4-2-1はリーグ43試合で1回だけ15 | 優勝→3位14 | 分析媒体チェルシーの3バックは選手に合わせた選択だったことを示す(プレミアリーグ公式)15 |
| 2025 〜2026 | イングランド | 4-2-3-1(22試合中16)9 | 4-1-4-1が3、4-3-3が2、4-4-2が1。W杯の決勝トーナメントでは終盤に5バック9, 7 | 予選1位(8戦全勝)、W杯3位5, 6 | 監督発言「幅をうまく扱えるし、クロスが入っても中にセンターバックが3人いる」7 |
基本布陣は、その在任期間で最も多く先発に使った布陣。クラブはプレミアリーグ公式がOptaの記録から集計した在任中の最多、イングランドはOptaの表記(ESPN掲載)による15, 9。イングランドの布陣表記は提供元で割れ、ESPN(Opta)が4-3-3としたラトビア戦(2025年10月)と4-1-4-1としたウルグアイ戦、パナマ戦を、FotMobは4-2-3-1と表記する9, 22。成績の順位と勝点はFotMobの順位表、タイトルはFA公式のプロフィールによる14, 3。
転機 ─ チェルシーで、3バックにして守りを先に固めたこと(2021年1〜5月)
イングランドで終盤に使う5バックは、チェルシー時代の守備の形に近い。3人のセンターバックと両ウイングバックで、最後は5枚で守る形だ36, 37。
ランパードが解任された2021年1月、チェルシーはリーグ19試合で9位にいた。Sky Sports は、失点の多さとセットプレーの弱さを挙げている38。
チェルシーの3バックは、プレミアリーグ公式が「長く続けた思想ではなく、手元の選手に合った形」と分析しており、次のバイエルンではほとんど使っていない15。本紙が転機として置いたのは3バックという形ではなく、「リードを5枚の最終ラインで守り切る」経験のほう。本人がイングランドの終盤の5バックとチェルシー時代の経験を結びつけた発言は確認できない。PL DAILY ANALYSIS
04CURRENT SYSTEM現在の戦術と、相手の崩し方
4-2-3-1。就任後22試合のうち16試合、W杯は8試合のうち6試合がこの布陣の表記だった(Opta)9。守備時は2列の4-4-2で、本人もそう呼ぶ16。W杯の初戦クロアチア戦は、GKジョーダン・ピックフォード、最終ラインは右からリース・ジェームズ、コンサ、ジョン・ストーンズ、ニコ・オライリー(Nico O’Reilly)。ボランチにライスとアンダーソン、2列目は右からマドゥエケ、ベリンガム、ゴードン、最前線にケインを置いた9。ラウンド32から準決勝までの4試合は、ライス、アンダーソン、ベリンガム、ケインがすべて先発している9。
※ 布陣上の標準配置であり、特定の瞬間の座標ではない。非保持の図は先発の布陣を自陣に下げた模式で、4-4-2の前の2人をケインとベリンガムにしたのは本紙の模式(本人は守り方を「4-4-2」と呼んでいるが、誰が前に出るかは語っていない)。相手(薄い丸)は、保持の図がクロアチアの3-4-2-1(FotMobの表記)、非保持の図がボールを持った4-3-3系の模式。
2人のセンターバックとライス、アンダーソンの2ボランチで前進する。パスに占めるロングボールの割合は7.9%で、EURO2024の8.8%より低い(FotMob)22。一方で、W杯の1試合平均の成功パスは431.8本で、EURO2024(536.9本)より約100本少ない26, 39。本人は日本戦の後、「前半は自分たちでピッチを狭くしすぎた。後半は幅が出て、サイドバックをもっと使えた」と話している33。メキシコ戦の後は「ボール保持やスペースの見つけ方には、まだ最良の自分たちとの隔たりがある」とも語った40。
W杯で得点の中心となったのは、ベリンガムとケインである。W杯の20得点のうち、ベリンガムが7点、ケインが6点(PK2本を含む)を挙げた41, 42, 9。ベリンガムの7得点は、イングランドの男子選手の主要大会最多になる41。クロスの試行は1試合20.5本で、EURO2024の16.4本より多い22。コンゴ民主共和国戦の2点は、どちらも途中出場のゴードンからケインへ。準決勝の先制点は、モーガン・ロジャースの右からのクロスをゴードンがファーで決めた43, 11。
守備では前線から奪いに行くより、2列に並んで構える。相手陣の3分の1で奪った回数は1試合3.4回で、FotMobの大会統計に載る32か国中15位。EURO2024のサウスゲート体制(3.6回、24か国中12位)とほぼ同じで、バイエルンの2023/24(5.7回、18クラブ中2位)より少ない26, 39, 44。本人はパナマ戦の後、「1対1を攻撃的に守るやり方をとっている」と語った31。メキシコ戦は、BBCが「深く構えて相手の勢いをそぐゲームプラン」と評した17。
HOW TEAMS TRY TO BREAK IT ─ 相手はどう崩そうとしているか
① 奪ってからの速攻。就任後の17失点のうち4点が、Optaの分類で速攻からだった。セネガル戦(2025年6月、90+3分)、日本戦(2026年3月、23分の三笘薫)、フランス戦(48分と90+6分)の3試合になる9。本人は日本戦の後に「前半の1本のカウンターで罰せられた」と話し、パナマ戦の後も「相手のカウンターにはとても気をつける必要があった」と振り返った33, 31。
② サイドからのクロスとヘディング。W杯で相手が打ったシュートのうち、12本がクロスから生まれた(Opta)。メキシコ戦の15分と80分、ノルウェー戦の35分と53分、準決勝の69分、76分、90+2分と、決勝トーナメントの3試合でクロスからのヘディングが続き、準決勝の決勝点もこの形だった9, 11。トゥヘルは準決勝の直後に「ヘディングを全部勝たれ、クロスを上げ続けられた」と話している18。終盤の5バック(SIGNATURE MOVE)は、この②への答えとして使われた。PL DAILY ANALYSIS
ここで示すのは確認した失点の形であり、恒常的な弱点と断定するものではない。シュートと得点の形の分類は、Optaの実況(ESPN掲載)による9。①は就任後22試合、②はW杯の8試合が対象。W杯で相手が打ったシュートは96本で、そのうち41本はペナルティーエリアの外からだった9。
05JAPANESE PLAYERS IN THIS SYSTEM在籍なし ─ 指導した日本人選手と、日本代表との対戦
イングランド代表に日本人選手はいない。トゥヘルは、マインツで岡崎慎司を、ドルトムントで香川真司を指導した45, 29。イングランドの監督としては、2026年3月31日にウェンブリーで日本に0-1で敗れている34。
COACHED トゥヘルが指導した日本人選手| 選手 | 時期 | 起用と記録 | トゥヘルの言葉(根拠) |
|---|---|---|---|
| 岡崎慎司 | マインツ 2013/14 | ブンデスリーガ33試合15得点46。第32節で14点目を挙げ、香川が2011/12に記録した13点を抜いて、欧州主要リーグでの日本人のシーズン最多得点になった47 | 「彼らはまず、クオリティに溢れた驚くべき才能の持ち主でした」「常にチームのためにすべてを捧げる準備ができていました。非常に礼儀正しく、勤勉で、謙虚でした」(2026年3月30日、日本戦の前日会見。香川とあわせて)45 |
| 香川真司 | ドルトムント 2015/16〜2016/17 | 4-3-3の右と左のインサイドハーフ、中盤ダイヤモンドのトップ下、4-2-3-1のトップ下と、相手ごとに位置を変えて起用された29。2016/17は控えの時期が長かったが、2017年3月から先発に戻った48 | 「シンジは決してボールを失わないし、ほとんどの決定機に彼が絡んでいる」(2015年)29。「必要な時には、いつだっていてくれる。監督にとって最高の贈り物なんだ」「チーム内の序列で落ち込んでも、全く文句を言わなかった」(2017年4月、ハンブルガーSV戦の後)48 |
岡崎は2013年夏にマインツへ移り、トゥヘルは2014年5月に退いたため、在籍が重なったのは2013/14の1季46, 3。フットボールゾーンの2026年3月30日の記事はトゥヘルのマインツ在任を「2013-14シーズンから14-15シーズンまで」と書くが、本紙はFotMobとFA公式の在任期間に合わせた45, 10, 3。香川は2015年に「うまくいかない時のボールの回し方、動き方なんかは映像を使いながら『もっとこうやったらうまく回る』と具体的に説明してくれる」と語っている29。
FACED 2026年3月31日 イングランド 0–1 日本(ウェンブリー)に出場した、イングランドのクラブの日本人選手| 選手 | 所属(2026年9月) | 出場 | トゥヘルのチームとの関わり(根拠) |
|---|---|---|---|
| 三笘薫 | ブライトン | 先発〜71分 | 23分に決勝点。中村敬斗のアシストで、Optaの分類は速攻9。BBCによれば、パーマーが中盤でボールを失った流れからだった34 |
| 鎌田大地 | クリスタル・パレス | 先発〜80分 | 3-4-2-1の中盤で先発した34, 9 |
| 鈴木彩艶 | アストン・ヴィラ | 先発・フル出場 | 無失点。後半にラッシュフォードのシュートを止めた34 |
| 田中碧 | リーズ | 71分から | 堂安律に代わって入った9 |
出場と交代の分はOptaの実況(ESPN掲載)で確かめた9。BBCは、日本がイングランドに勝った初めてのアジアのチームになったと伝えた34。イングランドはケインを欠き、フォーデンを偽9番に置いて、ウルグアイ戦から先発を10人入れ替えていた34。トゥヘルは試合後、日本を「よく鍛えられたチーム」と呼び、「前半の1本のカウンターで罰せられた」と話した33。日本側から見たこの試合は、本紙の監督プロフィール「森保一」(MANAGERS / No.12)が扱っている。
NEXT 日本代表との対戦予定06IN-GAME MANAGEMENTGAME STATE MATRIX ─ どんな状況になると何をするか
同じ1点リードでも、大会の段階で打つ手が変わる。予選とW杯のグループでは前線の選手をまとめて入れ替え、W杯の決勝トーナメントでリードした終盤はセンターバックを足した9。W杯の8試合では、負傷以外の最初の交代が平均60.1分で、EURO2024のサウスゲート体制(62.6分)より早い(FotMob)22。
| 試合状況 | よく行う変更 | 狙い(根拠ラベル) | 回数 / 対象試合 | 実例 |
|---|---|---|---|---|
| 70分以降 リード (W杯の決勝T) | 攻撃の選手を下げてセンターバックを入れ、最終ラインを5人にする | 監督発言「幅をうまく扱えるし、クロスが入っても中にセンターバックが3人いる」7 | 3 / 5 | メキシコ戦75分(3-2、10人。アンダーソン→バーン。74分にオライリー→スペンス)、ノルウェー戦111分(2-1、延長。ベリンガム→バーン)、準決勝72分(1-0、ゴードン→コンサ)9, 17 |
| 60〜75分 1点リード (予選・W杯のグループ) | 前線の選手を3人以上まとめて替える | 本紙解釈前線の脚を入れ替えて、2点目を取りにいく。3試合とも交代の後に追加点を挙げた9 | 3 / 7 | アルバニア戦(2025年3月)74分(1-0、ラッシュフォード→ゴードン、フォーデン→ボーウェンなど3人。77分に2-0)、セルビア戦(2025年11月)64〜65分(1-0、ケイン→フォーデン、ロジャース→ベリンガムなど4人。90分に途中出場のエゼが2-0)、クロアチア戦72分(3-2、マドゥエケ→サカ、ゴードン→ラッシュフォード、ライス→ロジャース。85分、途中出場のサカのアシストでラッシュフォードが4-2)9 |
| 70分以降 劣勢 | DF(サイドバックかセンターバック)を下げて、攻撃の選手を入れる | 本紙解釈最終ラインの人数を減らし、前線の人数を足す9 | 3 / 4 | セネガル戦(2025年6月)88分(1-2、ルイス・スケリー→アイヴァン・トニー(Ivan Toney))、コンゴ民主共和国戦70分(0-1、スペンス→エゼ。75分と86分にケインが逆転)、準決勝90+6分(1-2、ストーンズ→トニー、スペンス→ラッシュフォード)9, 43 |
対象は就任後の22試合。交代の組と分はOptaの実況(「X replaces Y」)で1組ずつ確定し、交代時のスコアは得点の時刻と突き合わせた9。負傷による交代(ウルグアイ戦38分のマドゥエケと56分のフォーデン、パナマ戦63分のクアンサー、準決勝82分のリース・ジェームズ、フランス戦83分のクアンサー)は数えていない。分母は、1行目がW杯の決勝トーナメント5試合(いずれも70分以降にリードした時間がある。コンゴ民主共和国戦は90+1分にライス→ストーンズと替えたが、形は資料で確定できない。フランス戦は79分にトニー→アンダーソン、90+3分にセンターバック同士を替えた)、2行目が予選とW杯のグループで60〜75分に1点リードだった7試合(ラトビア戦のホーム、アンドラ戦のアウェー、セルビア戦のホーム、アルバニア戦のホームとアウェー、クロアチア戦、パナマ戦)、3行目が70分以降に劣勢の時間があった4試合(日本戦は83分にセンターバック同士を替えただけ)。1行目の監督発言は、2026年9月にFAの記録映像で語ったもの7。
W杯の決勝トーナメントでリードした終盤は、センターバックを足して5枚にした(表の1行目)。メキシコ戦は54分にクアンサーが退場した後、57分にサカを下げてストーンズを入れ、75分にバーンを加えて5人の最終ラインにし、11分のアディショナルタイムを守り切った9, 17。本人はこの試合を「私の大会の瞬間」と呼んでいる50。準決勝では同じ手を72分に使い、85分と90+2分に失点した。9月には「この考え方と経験を持って臨んだ。ノルウェー戦も、メキシコ戦も、5バックで終えた」と説明し、「早すぎた」と認めた7。先制点を決めたゴードンも、「メキシコ戦は人生で最高の経験だったが、ある意味で僕たちをそういう形にしたのかもしれない」と話している51。
07ONE MATCH TO UNDERSTAND HIMイングランド 1–2 アルゼンチン(2026.7.15、W杯準決勝)
SIGNATURE MOVEが最も大きな舞台で使われ、裏目に出た試合を選んだ。55分に先制し、72分に5バックへ移り、85分と90+2分に失点した11, 9。本人は2か月後、「その考え方に移るのが早すぎた」と振り返っている7。
※ 実況記述からの再構成(BBCとSky Sportsの試合記事、Optaの実況、FotMobの布陣表記とシュートマップ)。各選手の位置は布陣上の標準配置であり、特定の瞬間の座標ではない。緑の輪はFotMobに記録されたシュートの位置で、3枚目の2つの輪は同時の配置ではない(85分のフェルナンデス、90+2分のラウタロ・マルティネス)。1枚目のクロスの経路、2枚目のアルゼンチンの4-2-4、3枚目の6人のDFの並び(誰がどこに立ったか)は、記事の記述にもとづく模式。
4-2-3-1で入り、最終ラインは右からリース・ジェームズ、ストーンズ、マルク・ゲイ(Marc Guéhi)、スペンス。2列目は右からロジャース、ベリンガム、ゴードンだった11。本人は「前半は完全に互角で、ボールを持つ時間もあった。チームが試合に入っていくのを感じた」と振り返る7。ケインも「前半と後半の立ち上がりは、高い位置でうまく圧力をかけた」と話した16。55分、ロジャースの右からのクロスをゴードンがファーで決めた11。
先制の直後から押し込まれた。本人の言葉では「スペンスのタックルが自分に何かを起こし、選手たちにも何かを起こしたかもしれない。残り30分ではなく、残り4分のように戦ってしまった」7。アルゼンチンは64分に中盤の選手を下げてウイングを入れ、メッシを右に移した4-2-4にした(Sky Sports)20。69分にはメッシのクロスからのヘディングをピックフォードが止めた。本人は「給水の直前に大きなチャンスを許し、このままでは持たないと思った」と話している9, 7。
WATCH 72分から85分まで。5-4-1に移ってからの13分に、76分のマクアリスターのヘディング(ポスト)を含め、アルゼンチンがクロスとミドルを重ねた流れ9, 11。本人の説明は、この2か月で変わっている。試合直後は「ゴールの後も4-4-2のままだったが、どんどん受け身になった。構造の問題ではない」、7月17日は「ボール保持は、スペインやアルゼンチン、ブラジルのDNAほど、われわれのDNAには入っていないのかもしれない」、9月は「もっと安定してボールを持てていれば、構造は変えずに攻撃的な交代をしていた」16, 35, 7。形を変える一手は、ボールを持てない状態を変えるためのものではなかった。選手の一部も、前へ出すボールの受け手がいなくなったと感じていた(Sky Sports)20。PL DAILY ANALYSIS
この章は、BBCとSky Sportsの試合記事、Optaの実況、FotMobの布陣表記とシュートマップで構成した11, 20, 9, 22。映像は確認していないため、秒単位の時刻や瞬間の座標は書いていない。Sky Sports は、複数の選手が守備的な交代に戸惑ったと伝える一方、チーム内の亀裂や監督への反感はないとも書いている20。
08MANAGER FINGERPRINT / TEAM DNA前所属の最終季・前任の最終大会・W杯を同じ提供元で
前所属の最終季(バイエルンの2023/24)、前任サウスゲートの最終大会(EURO2024)、トゥヘルのW杯2026の3つを、同じ提供元(FotMob)で並べた44, 39, 22。クラブのリーグ戦と代表の大会を同じ目盛りに置いているため、水準を直接比べず、プレーの傾向の違いを見る。代表の2大会はそれぞれ7試合と8試合の集計であり、数値は傾向として読む。
バイエルン23-24 61.4%W杯2026 54.1%EURO2024(破線) 54.7%目盛り 40〜70%
バイエルン23-24 6.0%W杯2026 7.9%EURO2024(破線) 8.8%目盛り 2〜12%
バイエルン23-24 5.7W杯2026 3.4EURO2024(破線) 3.6目盛り 0〜8
バイエルン23-24 19.3W杯2026 20.5EURO2024(破線) 16.4目盛り 8〜28
バイエルン23-24 1.03W杯2026 1.75EURO2024(破線) 0.29目盛り 0.0〜2.0
バイエルン23-24 1.61W杯2026 0.63EURO2024(破線) -0.16目盛り -1.0〜2.0
目盛りは、FotMob(Opta)の試合ページのチーム統計、選手統計、シュートマップを本紙が合計して算出した。PRESSだけはFotMobの季統計と大会統計(相手陣の3分の1でボールを奪った回数の1試合平均)44, 39, 22, 26。ロングボールの割合は、ロングボールの試行数をパス総数で割った値。速攻はOptaの分類(FastBreak)によるシュート数で、EURO2024のPK戦のキックは数えていない。破線(EURO2024)の値は、支配率54.7%、ロングボールの割合8.8%、相手陣での奪取3.6回、クロス16.4本、速攻からのシュート0.29本、xG差−0.16。マーカーの位置は x = 20 + 560 ×(値 − 下限)÷(上限 − 下限)。
TEAM DNA
| 指標 | BAY 23/24 (ブンデスリーガ34試合) | ENG EURO2024 サウスゲート(7試合) | ENG W杯2026 トゥヘル(8試合) | PL DAILY VIEW |
|---|---|---|---|---|
| 勝敗(得失点) | 23勝3分8敗(94–45) | 3勝3分1敗(8–6) | 6勝1分1敗(20–12) | 点の取り合いが増えた。W杯は1試合2.50得点、1.50失点44, 39, 22 |
| 支配率 | 61.4% | 54.7% | 54.1% | ボールを持つ量はサウスゲート体制とほぼ同じ44, 39, 22 |
| xG / 試合 | 2.56 | 0.88 | 1.79 | 作ったチャンスの量は倍になった39, 22 |
| 被xG / 試合 | 0.95 | 1.04 | 1.17 | 許したチャンスは少し増えた。W杯の被xGの合計9.3は大会で最も多い。ただし最多の8試合を戦っている39, 22, 26 |
| シュート / 被シュート | 18.8 / 10.4 | 10.9 / 10.4 | 14.8 / 12.4 | 打つ本数も、打たれる本数も増えた44, 39, 22 |
| 敵陣PA内タッチ / 試合 | ─ | 23.1 | 29.4 | 相手のペナルティーエリアに入る回数が増えた。バイエルンは一部の試合で値が欠けるため載せない39, 22 |
| 速攻からのシュート / 試合 | 1.03 | 0.29 | 1.75 | 最も大きく動いた指標。バイエルンより多い44, 39, 22 |
| クロス / 試合 | 19.3 | 16.4 | 20.5 | サイドから入れる回数が増えた44, 39, 22 |
| 相手陣の3分の1で奪った回数 / 試合 | 5.7(18クラブ中2位) | 3.6(24か国中12位) | 3.4(32か国中15位) | 前から奪う量は変わっていない。バイエルンとの差が大きい44, 39, 26 |
| 最初の交代(平均)/交代人数 | 64.5分/4.21人 | 62.6分/4.14人 | 60.1分/4.88人 | 早く、多く替える。負傷による交代を除いた最初の交代の分44, 39, 22 |
「相手陣の3分の1で奪った回数」はFotMobの季統計と大会統計、それ以外の行はFotMob(Opta)の各試合ページの値を本紙が合計して試合数で割った44, 39, 26, 22。W杯の順位は、FotMobの大会統計に載る32か国の中で本紙が並べた順位。EURO2024のスイス戦(1-1、PK戦で勝利)は引き分けとして数え、PK戦のキックはシュートに入れていない。最初の交代の分はFotMobの表記で、ハーフタイムの交代は46分と数える。バイエルンの敵陣PA内タッチは34試合のうち一部で値が無いため載せていない。
別の見方 ─ 「トゥヘルのイングランドは、サウスゲート時代と同じく、リードすると守りに入るチームのままではないか」。準決勝の後、Sky Sports の解説者ポール・マーソン(Paul Merson)は「サウスゲートは守備的だと批判されたが、トゥヘルも同じことをした」と語った16。ケインも「1-0になってから、ただ耐えようとしたように見えた」と話している16。
大会全体の数字は、この見方に沿わない。EURO2024と比べて、xGは1試合0.88から1.79へ、速攻からのシュートは0.29本から1.75本へ、敵陣のペナルティーエリアに入る回数は23.1回から29.4回へ増えた39, 22。守りに入ったのは試合全体ではなく、W杯の決勝トーナメントでリードした終盤に限られる(06の1行目)9。本紙は、この見方のうち「リードした終盤に守りに入る」部分だけを支持する。その判断を本人は「早すぎた」と認めており、次の大会までに変わるかどうかは、ネーションズリーグのリードした終盤で見えてくる7。PL DAILY ANALYSIS
09TACTICAL EVOLUTION就任からの推移
就任から20か月で、公式戦と親善試合を合わせて22試合を戦った9。4-2-3-1の枠はほとんど動いていない。動いたのは中盤の組み合わせと、W杯に向けた人選、そして終盤の締め方だった9, 23, 7。
4-2-3-1でライスとアンダーソンを組ませる
就任初戦のアルバニア戦から4-2-3-1で入った9。6月のセネガル戦は4-4-2で1-3と敗れ、就任後初めての黒星になった9。9月のセルビア戦(アウェー)に5-0で勝ち、本人は後に「突破口になった試合」と呼んでいる52, 9。9月から11月の6試合のうち5試合で、アンダーソンがライスの隣に先発した。予選は8戦全勝・無失点で終えた9, 5。
W杯仕様、終盤は5バック
3月の2試合は1分1敗で、日本戦はケインを欠き、フォーデンを偽9番に置いた9, 34。5月のメンバー発表でフォーデン、パーマー、アレクサンダー・アーノルドを外し、「10番を5人連れて行き、本職でない位置で使うことはしない」と話した23。W杯は右WGにマドゥエケを先発させてサカを途中から使う試合が多く、3位決定戦を除く7試合でケインが先発した。決勝トーナメントの3試合では、リードした終盤にセンターバックを足した(SIGNATURE MOVE)9, 7。
ネーションズリーグ、中盤の組み直し
9月18日に27人を発表し、アレクサンダー・アーノルドを2025年6月以来に呼び戻した。ブランスウェイト、アレックス・スコット(Alex Scott)、リオ・ングモハ(Rio Ngumoha)も選ばれた12, 53。本人は発表の会見で「コントロールしたいという望みを少し妥協して、混沌を受け入れる」「今は布陣をあまり変えるつもりはない」と話し、リース・ジェームズ、バーン、ストーンズ、スペンスらW杯組の6人は負傷で選べなかったと説明した24。21日にはライス、パーマー、ラッシュフォード、マイヌー、ティノ・リブラメント(Tino Livramento)が負傷で辞退した25。この区間はまだ試合が行われていない。形が変わるかどうかは、10月6日までの4連戦を見てから判断する。PL DAILY ANALYSIS
節目は「3試合以上続いた変更」または「監督が明言した変更」に限った。2025年6月のセネガル戦の4-4-2は1試合だけで、1コマ目の中で扱った。布陣の表記はOpta(ESPN掲載)による9。W杯でサカが途中から入った4試合(クロアチア戦、ガーナ戦、コンゴ民主共和国戦、ノルウェー戦)について、本人はサカがアキレス腱の不調を抱えて大会に入ったと説明している32, 9。
10VOICES同じ監督を4方向から
「それは私の傷で、あなたの傷ではない」
準決勝の交代について、FAの記録映像で「ここで私を責めればいい。でもそれは私の傷で、あなたの傷ではない。それを抱えて生きるのは私だ。ここで責任を負い、決めるのは私だ」「誰よりも傷ついているのは私で、誰よりも勝ちたかったのも私だ」と語った7。W杯のメンバー発表では「タイトルを取るのはチームだ。それだけのことだ」と話し、選んだ26人を「自分の役割を分かり、チームの精神と、自分を優先しないことに100%身を捧げている」と説明している30。
「1-0になってから、ただ耐えようとしたように見えた」
主将のケインは準決勝の後、「1-0になってから、ただ耐えようとしたように見えた。このレベルでは、それでは足りない」と話した。同時に「ゴールの後、監督たちからのメッセージはもう1点を取りにいけというものだった」とも証言している16。先制点を決め、72分に下げられたゴードンは、9月の合宿で「驚いた、正直に言えば。点を取ったばかりだったから」と明かした54。そのうえで「監督が、それまでの2試合を勝ち抜いた、より安全で守備的なやり方に寄せたのは、僕にはよく分かる」「選手がもっと主導権を取っていれば、監督はあの決断をしない。全員で責任を負うべきだ」と監督をかばい、ボール保持の「DNA」についての見方にも賛成した51。
「早すぎる5バックが、圧力を招いた」
BBCの主任記者フィル・マクナルティ(Phil McNulty)は準決勝の後、「イングランドは自陣のペナルティーエリアに釘付けにされた。トゥヘルは早すぎる時間に5バックへ移り、それが圧力を招いた」と書いた11。Sky Sports の解説者ゲーリー・ネヴィルは、ボール保持をイングランドの「DNA」に結びつけたトゥヘルの発言に「大きな問題がある」と反論し、フォーデン、パーマー、アダム・ウォートンらを外した人選と、マイヌーとサカを使わなかった采配を挙げた55。その前日には「私はトゥヘルを責めない。同じことは何年もイングランドに起きてきた」とも話している55。
「評判で選ばない初めての監督」と「恥ずかしい日」
W杯のメンバー発表の日、Sky Sports の読者投稿には正反対の声が並んだ。「評判で選手を選ばない、初めてのイングランド監督だ。外の圧力に屈しなかった」という支持と、「イングランドのサッカーにとって恥ずかしい日だ」という反発である23。同じ記事は、この発表を「1998年以来の衝撃」とする Sky Sports の記者の評価も載せている23。
読者投稿は、記事に掲載された個人の意見として読む必要がある23。
11CONTRACT / FA BACKING / EXPECTATIONS事実だけを並べる
2024年10月8日に18か月の契約に署名し、16日にFAが発表した。着任は2025年1月1日1。2026年2月12日にEURO 2028まで2年延長し、アシスタントのアンソニー・バリー(Anthony Barry)ら中心スタッフ4人も2028年夏まで延長した2。
最高経営責任者のマーク・ブリンガム(Mark Bullingham)は、就任発表で「根本的には、主要大会で勝つ最善の可能性を与えてくれるコーチ陣を雇いたかった」「トゥヘルとチームは、2026年のW杯で優勝する最善の可能性を与えることに、ひたすら集中している」と述べた1。延長の発表では「世界のサッカーで、これ以上の候補はいない」「大会の前後に契約交渉で気が散る要素を取り除いた」と話している2。W杯の後、Sky Sports News は「FAはトゥヘルの進退を検討していない」と伝え、本人は続投に「100%」と答えた35。
日本時間は、FA公式が示す英国時間(夏時間)に8時間を足して本紙が換算した12。
12PL DAILY ARCHIVE本紙がトゥヘルを扱った号
該当する号は無い。本紙 PREMIER LEAGUE DAILY はプレミアリーグ、チャンピオンシップ、チャンピオンズリーグ、カラバオ杯、FAカップの5大会を対象としており、イングランド代表の試合を扱う号を発行していない。
2026年9月26日に保存版の全号を検索し、トゥヘルの名前が出るのは9月14日号の1か所だけだった。04 PLAYER REPORTS のマイヌーの項で、ESPNの「イングランド代表のトゥヘル監督は好印象を持って帰っただろう」という記述を引いたもので、監督の采配や発言を扱った記事ではないため、見出しとしては載せていない58。ARCHIVE は他章の事実の根拠にしておらず、各章の記述はSOURCESの一次・二次資料に直接つないでいる。
SOURCES 本文の肩数字から該当資料へ
確認日:2026年9月26日。イングランドサッカー協会(FA OFFICIAL)、クラブ公式(CLUB OFFICIAL)、リーグ公式(LEAGUE OFFICIAL)、放送局(BROADCAST)、新聞・通信社(PRESS)、分析媒体(ANALYST)、日本の媒体(JP MEDIA)、データ提供元(DATA)、本紙(PL DAILY)を区分して記載。試合ごとの交代の組と得点の形はOptaの実況(ESPN掲載)で、支配率・xG・シュートの分類と大会の統計はFotMob(Opta)で統一した。監督の在任成績はFotMobで統一している。
- FA OFFICIAL|England FootballThomas Tuchel appointed as England men’s senior head coachイングランドサッカー協会(FA)公式、2024.10.16。18か月契約、10月8日に署名、着任は2025年1月1日。アシスタントはアンソニー・バリー。暫定のカーズリーはネーションズリーグの11月の2試合まで指揮。FA最高経営責任者ブリンガム「2026年のW杯で優勝する最善の可能性を与える」。本人「この国のサッカーとは長く個人的なつながりを感じてきた」。2021年にUEFAとFIFAの年間最優秀監督に選ばれたことも記す。
- FA OFFICIAL|England FootballThomas Tuchel extends England stay to EURO 2028FA公式、2026.2.12。EURO 2028まで2年延長。中心スタッフ4人(バリーほか)も2028年夏まで延長。ブリンガム「世界のサッカーでこれ以上の候補はいない」「大会前後に契約交渉で気が散る要素を取り除いた」。※同記事は予選の得点を「20」と書くが、試合ごとの記録(Opta、FotMob)を合計すると22になる。
- FA OFFICIAL|England FootballEngland Football coach profile: Thomas TuchelFA公式のプロフィール、2026.9.26確認。1973年8月29日生まれ、クルムバッハ出身、指揮22試合17勝。選手歴(アウクスブルクの下部組織、19歳で放出、2部のシュトゥットガルター・キッカーズで2季、ウルム、膝のけがで1998年に25歳で引退、経営学の学位、カクテルバーで働いた)、指導歴(2000年にラングニックがシュツットガルトの育成コーチに任命、2005年にアウクスブルクの育成部門、UEFAプロライセンス取得後に2軍を2年、マインツU-19、2009/10にマインツで9位、2010/11は開幕7連勝で5位、5季で退任、1年の休養、2015年にドルトムント、2017年にDFBポカール、2018年にPSG、2021年1月にチェルシーで14試合無敗のクラブ新監督記録、CL、スーパーカップ、クラブW杯)。※同ページはチェルシーを離れた時期を「2023年3月」、バイエルンの2023/24を「レバークーゼンに次ぐ2位」と書くが、本紙はチェルシー公式の発表(2022年9月7日)とFotMobの順位表(3位)に従った。
- LEAGUE OFFICIAL|BundesligaThe Bundesliga coaching cradle: Ralf Rangnick, Pep Guardiola, Thomas Tuchel, and Jürgen Klopp in the Premier Leagueブンデスリーガ公式、2021年。ラングニックが、けがで選手生活を終えたトゥヘルを指導者の道へ導いた。2009/10シーズン開幕の数日前にマインツのトップチームを任され、1季目は9位。マインツで1試合平均の勝点1.41のクラブ記録(それまではクロップの1.13)。ファルケはドルトムントでトゥヘル体制の下、2軍の監督として名を上げた。
- PRESS|FOX Sports(AP)England Completes Perfect World Cup Qualifying Campaign With 8 Wins, 0 Goals ConcededFOX Sports(AP)、2025.11.16。アルバニアに2-0で予選8戦全勝、1失点もせずに出場を決めた。ケインの2得点で代表通算78点(112試合)。
- FA OFFICIAL|England FootballThomas Tuchel thanks England fansFA公式、2026.7.19。フランスに6-4で3位。1966年の優勝以来の最高成績で、国外開催のW杯では過去最高。60年ぶりのメダル。
- BROADCAST|Sky SportsThomas Tuchel: England head coach defends controversial World Cup semi-final substitutions with Argentina adding: ‘It’s my scar, not yours’Sky Sports(Sam Blitz)、2026.9.17。FAの記録映像での本人の談話。「スペンスのタックルが自分に何かを起こした」「給水の直前に大きなチャンスを許し、このままでは持たないと思った。4-4-2でうまく守れていない、助けが要る」「ノルウェー戦もメキシコ戦も5バックで終えた」「5-3-2に変え、次に5-4-1にした。幅をうまく扱えるし、クロスが入っても中に3人のセンターバックがいる」「早すぎた。その考え方に移るのが早すぎた」「それが監督の介入というものだ。助けようとする」「もっと安定してボールを持てていれば、構造は変えず、攻撃的な交代をしていた」「私の傷で、あなたの傷ではない。決めるのは私だ」。アルゼンチンについて「4人のストライカー」「時に3-1-6」。
- PRESS|CNNBayern Munich vs. Dortmund: When Pep Guardiola met Thomas TuchelCNN、2015.10.2。2014年12月、休養中のトゥヘルがミュンヘンのバーでグアルディオラと3時間議論し、塩と胡椒の瓶を動かして戦術を語り合った。2部は数試合、3部は約50試合で25歳で引退。アウクスブルクで1991年と1992年にドイツユース杯を制した。マインツU-19でドイツ王者。「試合計画は相手の配置を映し、週の練習でも試合中でも選手の振る舞いを変える」「監督の最も重要な仕事はチームを支え、助けること」「グループが常に最も重要な要素」。
- DATA|ESPN(Opta実況)England 就任後22試合の実況と布陣(例:W杯準決勝アルゼンチン戦)ESPN、2026.9.26取得。同形式の22試合(ESPNの試合ID 724926、724937、724954、733159、724991、725017、733158、724871、724879、724902、762553、762554、401860828、401860829、760437、760458、760485、760495、760505、760512、760515、760516)の実況と布陣表記(Opta)から、先発の位置、交代の組(「X replaces Y」)と負傷交代(「because of an injury」)、得点とシュートの形(「following a corner」「following a set piece situation」「from a free kick」「following a fast break」「with a cross」「header」「from outside the box」)を1件ずつ確定し、交代時のスコアは得点の時刻と突き合わせた。布陣の表記は4-2-3-1が16試合、4-1-4-1が3試合、4-3-3が2試合、4-4-2が1試合。
- DATA|FotMobThomas Tuchel(監督ページ・通算成績)FotMob、2026.9.26取得。ドルトムント(2015.7.1〜2017.5.30)107試合69勝20分18敗、PSG(2018.7.1〜2020.12.24)121試合91勝11分19敗、チェルシー(2021.1.26〜2022.9.7)100試合63勝19分18敗、バイエルン(2023.3.24〜2024.6.30)61試合37勝8分16敗、イングランド(2025.1.1〜)22試合17勝2分3敗(勝率77.3%)。マインツ(2009.8.3〜2014.5.12)は149試合60勝34分55敗と記録されるが、同社に2009/10の順位表が無く、5季のリーグ戦だけで170試合になるため、本紙は欠けがあるとみて使っていない。
- BROADCAST|BBC SportEngland 1-2 Argentina(World Cup semi-final)BBC Sport(Phil McNulty、アトランタ)、2026.7.15。55分にロジャースの右からのクロスをゴードンがファーで先制。ピックフォードが途中出場の左WGのヘディングを好セーブ、マクアリスターのヘディングが2度ポストに。85分フェルナンデスの25ヤードのシュート、90+2分ラウタロ・マルティネスがメッシの右足のクロスをヘディング。「トゥヘルはセンターバック4人で箱を守る形にした」「早すぎる5バック」。布陣表は右から左の順(イングランドは4-2-3-1)。
- FA OFFICIAL|England FootballEngland squad named for September and October windowFA公式、2026.9.18(9.21更新)。ネーションズリーグ4試合(9月21日〜10月6日)の27人。日程は9月26日(土)19:45スペイン戦(ウェンブリー)、29日(火)19:45チェコ戦(プラハ)、10月3日(土)17:00クロアチア戦(リエカ)、6日(火)19:45チェコ戦(ウェンブリー)。いずれも英国時間。
- LEAGUE OFFICIAL|BundesligaSSV Ulm 1846: Who are the 3. Liga winners preparing for a first Bundesliga 2 campaign in over 20 years?ブンデスリーガ公式。トゥヘルは1994〜98年にウルムでプレーした。ラングニックのチームの一員だった時期が、試合の見方とチームにさせたいプレーに影響したと本人が語っている、と記す。
- DATA|FotMobリーグ順位表(ブンデスリーガ、リーグ・アン、プレミアリーグ)FotMob、2026.9.26取得(12の季の表は下にリンク。いずれもHTTP 200と、季の表示、対象クラブの行を確認)。マインツ 2010/11 5位(勝点58)、2011/12 13位(39)、2012/13 13位(42)、2013/14 7位(53)、ドルトムント 2015/16 2位(78)、2016/17 3位(64)、PSG 2018/19 1位(91)、2019/20 1位(68、打ち切り)、チェルシー 2020/21 4位(67)、2021/22 3位(74)、バイエルン 2022/23 1位(71)、2023/24 3位(72。2位はシュツットガルトの73)。マインツの2009/10は同社の順位表に無い。季ごとの順位表:マインツ 2010/11、2011/12、2012/13、2013/14、ドルトムント 2015/16、2016/17、PSG 2018/19、2019/20、チェルシー 2020/21、2021/22、バイエルン 2022/23、2023/24
- LEAGUE OFFICIAL|Premier LeagueWill Tuchel repeat his Chelsea tactics with England?プレミアリーグ公式(Adrian Clarke)、2024年10月。マインツ、ドルトムント、PSG、チェルシー、バイエルンのリーグ戦426試合で17の布陣(4-2-3-1が130、4-3-3が62、3-4-2-1が56ほか)。4バックは75.4%。マインツ、ドルトムント、バイエルンは4-2-3-1、リーグ・アンは4-3-3が第一の形。チェルシーではリーグ63試合中55試合が3バックで、3-4-2-1が38。バイエルンでは3-4-2-1はリーグ43試合で1回。チェルシーの平均支配率62.2%、最初の24試合で18の無失点、CL準決勝2戦目は支配率32.7%、決勝は39.6%で勝利。「強度と攻撃性を求めるが、ハイプレスとは限らない」。2015/16以降の欧州5大リーグで256試合168勝45分43敗(勝率65.6%)。イングランド代表の外国人監督は3人目。
- BROADCAST|Sky SportsEngland out of World Cup: Harry Kane says holding on was not enough against ArgentinaSky Sports、2026.7.16。ケイン「1-0になってから、ただ耐えようとしたように見えた。このレベルではそれでは足りない」「前半と後半の立ち上がりは高い位置でうまく圧力をかけた」。試合直後のトゥヘル「攻撃的な交代が助けになる感触はなかった。4-4-2のままだったが、どんどん受け身になった。構造の問題ではない」「後悔はない」。ゲイ(BBCに)「押し続けるべきだった」、バーン「ゴールの後は少し受け身になり、深く守りすぎた」。
- BROADCAST|BBC SportMexico 2-3 England(World Cup round of 16)BBC Sport(Phil McNulty、アステカ)、2026.7.5現地。悪天候で開始が1時間遅れた。ベリンガムが98秒で2得点、54分にクアンサーが退場、ケインのPKで3-1、ヒメネスのPKで3-2。「トゥヘルはバーンとスペンスを入れて5人の最終ラインに戻し、11分のアディショナルタイムをしのいだ」「深く構えて相手の勢いをそぐゲームプラン」。標高は7,000フィート超。
- PRESS|Yahoo SportsThomas Tuchel explains England substitutions as decisions backfire in World Cup semi-final lossYahoo Sports、2026.7.15。試合直後の本人「最近の試合では攻撃的な交代もした」「すぐにチャンスを許し、隙間が開きすぎていたので5バックにした」「ヘディングを全部勝たれ、クロスを上げ続けられたので、中の隙間を閉じて空中戦に強くするため5バックにした」。85分の同点弾はショートコーナーからのミドル。
- BROADCAST|BBC SportNorway 1-2 England(World Cup quarter-final, after extra time)BBC Sport(Phil McNulty、マイアミ)、2026.7.11。36分に先制され、前半のアディショナルタイムにベリンガムが同点。ハーフタイムにライスとマドゥエケを下げてエゼとサカ。延長3分、途中出場のロジャースのシュートのこぼれをベリンガムが決めた。
- BROADCAST|Sky SportsSome England players bemused by Thomas Tuchel subs in Argentina World Cup semi-final defeatSky Sports(Rob Dorsett)、2026.7.18。複数の選手が守備的な交代に戸惑ったと Sky Sports News が伝えた(亀裂や反感はないとも記す)。ゴードンの得点からラウタロ・マルティネスの決勝点までのイングランドの支配率は12%。オライリーの投入後、ピッチには6人のDF(うち4人がセンターバック)。アルゼンチンは左WGを入れてメッシを右WGへ移した4-2-4。
- CLUB OFFICIAL(DE)|1. FSV Mainz 05Perfektion – auf allen Ebenenマインツ公式、2021年5月。当時のマネージャー、ハイデルの回想。2009年夏、シーズン開幕の5日前にU-19の監督だったトゥヘルをトップチームへ昇格させた。U-19ではドイツ選手権の決勝でドルトムントを2-1で破った。ハイデル「完璧主義者で、どの相手もAからZまで調べる。戦術的な規律が仕事の基本」。移動中に2時間、グアルディオラのチームのパスの連続を研究していたとも語る。
- DATA|FotMob(Opta)England — 試合データ(例:W杯準決勝アルゼンチン戦)FotMob、2026.9.26取得。W杯8試合(4667825、4667828、4667829、4653714、4653847、4653852、4653856、4653857)とEURO2024の7試合(4043849、4043851、4043853、4043973、4043982、4043984、4043985)の同形式のページから、支配率、xG、被xG、シュート、被シュート、敵陣PA内タッチ、パス、ロングボールとクロスの試行数(選手統計の合計)、シュートマップ(Optaの状況分類 RegularPlay/FastBreak/FromCorner/SetPiece/Penalty、位置、xG)、交代の分を本紙が集計した。EURO2024のPK戦のキックは除いた。準決勝のシュート位置(ゴードン55分、フェルナンデス85分、ラウタロ・マルティネス90+2分)もこのページの値。布陣の表記は、ESPN(Opta)が4-3-3のラトビア戦(2025.10.14)と4-1-4-1のウルグアイ戦、パナマ戦を、FotMobは4-2-3-1と表記する。
- BROADCAST|Sky SportsEngland World Cup squad announcement: Ruthless Thomas Tuchel leaves big names out of 26-man squadSky Sports(Oliver Yew)、2026.5.22。W杯の26人。パーマー、フォーデン、アレクサンダー・アーノルド、マグワイアが外れ、トニーが復帰。本人「9月、10月、11月の合宿が根拠だ」「10番を5人連れて行き、本職でない位置で使うことはしない」。読者の声(SUPPORTER VIEW)として「評判で選ばない初めての監督」と「英国サッカーにとって恥ずかしい日」の両方を載せる。
- PRESS|Yahoo Sports(BBC Sport の記事)Will England boss Tuchel ‘embrace the chaos’?Yahoo Sports 掲載(Sami Mokbel、BBC Sport の記事)、2026.9.18。W杯後初のメンバー発表の会見での本人「コントロールの無いサッカーは、監督には消化しにくいことがある」「コントロールしたいという望みを少し妥協して、もう少し混沌を、混沌を受け入れる。それが最良のものを引き出すかもしれない」「10分間でも、あちこちで少しスペインのようになれたら、というのが願いだ。ただ振り返るほど、自分たちの強みに乗ることかもしれない。クロアチア戦の後半や、フランス戦の前半のような時間を増やす」「今は布陣をあまり変えるつもりはない」「(W杯で築いた)兄弟愛と精神については、交渉しないし、譲らない」。リース・ジェームズ、バーン、ディーン・ヘンダーソン、ストーンズ、ジョーダン・ヘンダーソン、スペンスは負傷で選べなかったと説明した。
- FA OFFICIAL|England FootballSquad update: Tino Livramento, Kobbie Mainoo, Cole Palmer, Marcus Rashford and Declan Rice miss outFA公式、2026.9.21〜22。5人がそれぞれの負傷で辞退し、ガーナーとギブス・ホワイトを追加招集。
- DATA|FotMob(Opta)World Cup 2026 — チーム大会統計(Possession won final 3rd per match ほか)FotMob、2026.9.26取得。相手陣の3分の1で奪った回数の1試合平均はイングランド3.4回(一覧の32か国中15位、最多はスペイン6.1回)。同じ大会統計で、支配率54.1%、1試合平均の成功パス431.8本(成功率88.6%)、xG合計14.3(48か国中4位)、被xG合計9.3(最多)。順位は本紙が一覧の値を並べて算出した。
- CLUB OFFICIAL|Chelsea FCChelsea Football Club part company with Thomas Tuchelチェルシー公式、2022.9.7。新オーナーグループが就任から100日を迎えた時点で「移行の適切な時期」と判断した。CL、スーパーカップ、クラブW杯の優勝に触れる。
- PRESS|AFP(Malay Mail)Chelsea’s Tuchel vows to hunt down Man City ahead of FA Cup clashAFP(Malay Mail掲載)、2021.4.16。本人「彼(グアルディオラ)は私にとって大きな影響だ。バルセロナの監督だった頃、個人的には知らなかったが、ほとんどの試合を見ていた」「このチームで最も印象的だったのは、ボールを失ったときのメンタリティーと守り方だった」。
- JP MEDIA|サッカーキングドルト香川、完全復活の裏側…トゥヘル新監督が施した“マジック”とはサッカーキング(元川悦子)、2015.11.4。トゥヘルは「マインツ時代から対戦相手やチーム状態に応じて猫の目のように戦術やフォーメーションを変える指揮官」。香川は4-3-3の右と左のインサイドハーフ、中盤ダイヤモンドのトップ下、4-2-3-1のトップ下で起用された。トゥヘル「シンジは決してボールを失わないし、ほとんどの決定機に彼が絡んでいる」。香川「映像を使いながら具体的に説明してくれる」。ドルトムントのU-23でプレーした丸岡満「ゲーゲンプレスはクロップさんと全く一緒で、トゥヘルさんの方がより戦術を重視する」、パク・チュホ(Park Joo-ho)「全員が強い気持ちを持って戦わないとダメだと厳しく言う人。マインツ時代から変わっていない」。
- PRESS|France 24World Cup 2026: Tuchel axes Foden, Palmer in surprise England shake-upFrance 24、2026.5.22。W杯のメンバー発表での本人「最初の日から、最高のチームを選び、つくろうとしてきた。それは最も才能のある26人を選んで集めることとは限らない」「タイトルを取るのはチームだ。それだけのことだ」「26人は自分の役割を分かり、チームの精神と、自分を優先しないことに100%身を捧げている」。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel pleased with ‘deserved’ winFA公式、2026.6.27。パナマに2-0でL組1位。本人「相手のカウンターにはとても気をつける必要があった」「1対1を攻撃的に守るやり方をとっている」。62分のベリンガムはサカのCKから、67分のケインのヘディングでイングランドのW杯通算最多得点者に。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel: ‘I love being England coach’FA公式、2026.6.26。パナマ戦前日の会見。サカはアキレス腱の不調を抱えて大会に入り、クロアチア戦とガーナ戦は途中出場だったが「何日も痛みがなく、先発の準備ができている」。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel on lessons learned from JapanFA公式、2026.3.31。日本に0-1。本人「前半の1本のカウンターで罰せられた」「数人を欠き、また新しい布陣だった」「偽9番は片側だけで、逆のサイドで攻めるときは普通の9番だった」「前半は自分たちでピッチを狭くしすぎた。後半は幅が出て、サイドバックをもっと使えた」「よく鍛えられたチームが相手だった」。
- BROADCAST|BBC SportEngland 0-1 Japan(International friendly)BBC Sport(Phil McNulty、ウェンブリー)、2026.3.31。23分、パーマーが中盤でボールを失った流れから三笘薫が決めた。日本はイングランドに勝った初めてのアジアのチーム。ケインは練習での打撲で欠場、フォーデンを偽9番に置き、ウルグアイ戦から先発を10人入れ替えた。ピックフォードの連続無失点は10試合で止まった。布陣表はイングランド4-2-3-1、日本3-4-2-1。
- BROADCAST|Sky SportsThomas Tuchel: England boss defends tactics against Argentina and blames English football’s ‘DNA’ for World Cup exitSky Sports(Rob Dorsett)、2026.7.17。3位決定戦の前の会見。本人「あの時点では、どんな構造でも助けにならなかった。受け身になり、2列目から入ってくる走者を止められなかった」「ボール保持は決定的な役割を持つ。スペインやアルゼンチン、ブラジルのDNAほど、われわれのDNAには入っていないのかもしれない」「5バックは受け身になるためではなく、もっと能動的になるため」。EURO 2028までの続投について「100%」。
- ANALYST|Coaches’ VoiceThomas Tuchel tactics and style of playCoaches’ Voice。ドルトムントではクロップの4-3-3(しばしば4-2-3-1)を引き継ぎ、ボール保持を重視する形へ。1季目の終盤から3バックを試し、試合中にも形を変えた。PSGは1季目に3バックも使い、2019/20は4バックで攻撃は4-2-2-2。チェルシーは3バックで、守備時は両WBが下がって5-4-1、5-3-2、5-2-3。ラングニックがナーゲルスマンと同じくトゥヘルの素質を見いだしたとも記す。
- LEAGUE OFFICIAL|BundesligaPep Guardiola vs. Thomas Tuchel: A tactical battle years in the makingブンデスリーガ公式、2023年4月。2021年のCL決勝で、トゥヘルのチェルシーは5-2-3で守り、シティに攻撃のスペースを与えなかった。2人はミュンヘンのレストランで塩と胡椒の容器を使って戦術を議論した仲。
- BROADCAST|Sky SportsFrank Lampard sacked by Chelsea after 18 months; Thomas Tuchel set to take overSky Sports、2021.1.26。ランパードの解任時、チェルシーはリーグ19試合で9位(勝点29)。失点の多さとセットプレーの弱さを挙げる。
- DATA|FotMob(Opta)EURO 2024 — チーム大会統計(Possession won final 3rd per match ほか)FotMob、2026.9.26取得。サウスゲート体制のイングランドは、相手陣の3分の1で奪った回数が1試合3.6回(24か国中12位)、支配率54.8%、1試合平均の成功パス536.9本(成功率89.0%)。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel: ‘This team really mean it’FA公式、2026.7.6。54分にクアンサーが退場した後もリードを守った。本人「このチームは本気だ」「もっと良いプレーができる。ボール保持やスペースの見つけ方には、まだ最良の自分たちとの隔たりがある」。
- FA OFFICIAL|England FootballJude Bellingham wins 2025-26 England men’s player of the yearFA公式、2026.9.25。2季連続の受賞。7得点はすべてW杯で、イングランド男子の主要大会最多。本人「彼は大会を代表する選手の一人だった」。
- FA OFFICIAL|England FootballKane: ‘It was my best season ever’FA公式、2026.9.24。ケインは2025-26に代表12得点、W杯6得点で、イングランドのW杯通算最多得点者になった。
- BROADCAST|BBC SportEngland 2-1 DR Congo(World Cup round of 32)BBC Sport(Phil McNulty、アトランタ)、2026.7.1。7分に失点、75分にケインが途中出場のゴードンのクロスをヘディングで同点、86分に勝ち越し。「ゴードンは2点の両方に関わった」。
- DATA|FotMob(Opta)Bundesliga 2023/24 — Bayern München(季統計と34試合の試合データ)FotMob、2026.9.26取得。相手陣の3分の1で奪った回数は1試合5.7回(18クラブ中2位)。支配率、xG、被xG、ロングボールとクロスの試行数、速攻からのシュートは、同季のリーグ34試合の試合ページ(例:第1節 https://www.fotmob.com/match/4221721)を本紙が集計した。
- JP MEDIA|フットボールゾーントゥヘル監督が語る日本文化「非常に興味深い」 香川真司と岡崎慎司に敬意「驚くべき才能」フットボールゾーン、2026.3.30。日本戦の前日会見。香川と岡崎について「クオリティに溢れた驚くべき才能の持ち主」「常にチームのためにすべてを捧げる準備ができていた。非常に礼儀正しく、勤勉で、謙虚」。2度日本を訪れた経験から日本文化にも触れた。※同記事はマインツでの在任を「2013-14シーズンから14-15シーズン」と書くが、トゥヘルのマインツ監督は2009年8月〜2014年5月で、岡崎との在籍の重なりは2013/14の1季。
- PLAYER OFFICIAL|岡崎慎司オフィシャルウェブサイト成績本人の公式サイト、2026.9.26確認。マインツでの2013/14はブンデスリーガ33試合15得点、DFBポカール2試合。前季(シュツットガルト)はリーグ25試合1得点。
- JP MEDIA|スポーツナビ岡崎慎司、マインツで上昇した成長曲線 “エゴイスト”な点取り屋への覚醒スポーツナビ、2014.4.29。第32節の14点目で、香川が2011/12に記録した13点を抜き、欧州主要リーグの日本人のシーズン最多得点となった。
- JP MEDIA|フットボールゾーン「監督にとって最高の贈り物」 高いプロ意識で定位置奪還の香川をトゥヘル絶賛フットボールゾーン、2017.4.5(ESPNの報道を引用)。4月4日のハンブルガーSV戦で香川がトップ下で先発し1得点1アシスト。トゥヘル「いつでも最高のプロフェッショナル」「必要な時にはいつもいてくれる。監督にとって最高の贈り物」「序列で落ち込んでも、全く文句を言わなかった」「守備面でもとても重要」。
- FA OFFICIAL|England FootballWhat’s next for England’s Three Lions after the FIFA World Cup 2026?FA公式、2026.7.24。2026年の残りはネーションズリーグ6試合(リーグA・第3組、スペイン、クロアチア、チェコと各2試合)。11月12日(木)19:45クロアチア戦(ウェンブリー)、15日(日)19:45スペイン戦(アウェー)、いずれもGMT。準決勝と決勝は2027年6月9〜13日。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel relives ‘rollercoaster’ World CupFA公式、2026.9.18。記録映像『Reflections』でのW杯後初のインタビュー。「2つ目の星がほしかった。それは果たせなかったと最初に認める」。メキシコ戦を「私の大会の瞬間」と呼び、「高地、開催国、W杯で誰も勝ったことのないスタジアム、1人少なく、PK判定も不利だった」。スペイン戦を「EUROへの完璧な予行演習」と言う。イングランドはW杯でメキシコにアステカで勝った初めてのチームと記す。
- BROADCAST|Sky SportsEngland vs Spain: Anthony Gordon backs Thomas Tuchel’s ‘DNA’ comments about possession and calls on Three Lions to focus on their strengthsSky Sports(Peter Smith)、2026.9.24。スペイン戦の前の会見でのゴードン「イングランドには、スペインのように試合をコントロールする強みはない。それは僕たちの中にない」「監督が、それまでの2試合を勝ち抜いた、より安全で守備的なやり方に寄せたのは、僕にはよく分かる」「選手がもっと主導権を取っていれば、監督はあの決断をしない。全員で責任を負うべきだ」「メキシコ戦は人生で最高の経験だったが、ある意味で僕たちをそういう形にしたのかもしれない」「次に同じ状況になったら、逆の道を行くだろう」。
- FA OFFICIAL|England FootballFive things you may have missed from ‘Reflections’FA公式、2026.9.18。本人「9月の合宿は違うエネルギーだった。鍵は競争心と喜びの混ざり方。自分の喜びだけでなく、他人の成功を喜ぶこと」「そしてセルビアでの突破口になった試合があった」。ベリンガムのW杯7得点はイングランド男子の主要大会最多。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel on returning and familiar facesFA公式、2026.9.18。アレクサンダー・アーノルドは2025年6月以来の復帰、ブランスウェイトは「長くリストに載せていた」、スコットは「リーグの開幕から最も良い中盤の一人」、ングモハは「年齢の割に非常に印象的」。
- PRESS|GOALBarcelona winger Anthony Gordon hits out at controversial Thomas Tuchel decision during England’s World Cup semi-final exit against ArgentinaGOAL、2026.9.24(日本時間)。9月の合宿でのゴードン「驚いた、正直に言えば。点を取ったばかりだったから」「あのゴールの時ほど気分の良かったことはなく、20分後ほど気分の悪かったこともない」。合宿初日にチームで話し合いを持ったとも語る。
- BROADCAST|Sky SportsEngland 1-2 Argentina: Gary Neville takes issue with Thomas Tuchel’s English DNA claims following World Cup eliminationSky Sports、2026.7.17。ネヴィル「DNAという言い方には大きな問題がある。マイヌーもサカも入れず、フォーデン、パーマー、ウォートン、ギブス・ホワイト、アレクサンダー・アーノルドを家に残した」「5-4-1でも狭すぎた。メッシは右の空いた場所を見つけた」「10人のメキシコ戦と同じやり方で締めようとした」。
- FA OFFICIAL|England FootballThomas Tuchel speaks on new contractFA公式、2026.2.12。本人インタビュー。「2つの大会の一巡を率い、その間のネーションズリーグも含めて3つのタイトルを争う」「9月の合宿は新しく、わくわくした。チームをつくり、試合の原則とスタイルをつくることに深く入っていった」。
- FA OFFICIAL|England FootballTuchel: ‘We will not stop hunting’FA公式、2026.7.18。本人「親善試合を除くと、アルゼンチン戦は15試合目で初めての黒星だった」「85分まで1-0だった」「アルゼンチン、フランス、スペインは優勝を当然と考える水準にいる。われわれはまだそこにいない。埋めるべき差がある」。
- PL DAILY|本紙PREMIER LEAGUE DAILY 2026年9月14日号(04 PLAYER REPORTS)本紙、2026.9.14。04 PLAYER REPORTS のマイヌーの項で、ESPNの「イングランド代表のトゥヘル監督は好印象を持って帰っただろう」という記述を引いた。トゥヘルの采配を扱った記事ではない。公開URLは2026.9.26にHTTP 200と本文の記述、アンカー(#players)を確認。保存版は PL_DAILY/out/PL_DAILY_20260914.html。